
ねぇアラカン紳士さん、日本のごはんって、実はヴィーガンにぴったりって本当なの?
だしにお肉やお魚を使うイメージがあるから、難しそうで…

おやおや、マダム。和食の真髄は“動物性”ではございませんぞ。
むしろ、わたくしたち日本人は、長らく“菜食”の民でございました。
精進料理に、旬の野菜、発酵の恵み…。
どれも腸にも心にもやさしいですぞ。

まあ素敵。なら私たちアラカン世代にもぴったりかもしれませんわね。
でも、肉をやめるなんて本当にできるのかしら?

すべてを断つ必要はありませんぞ。
“おおむね”で十分なのです。和食の知恵を借りれば、きっと自然と身体が整い、心も穏やかになることでしょう。
はじめに 日本人はヴィーガン文化だった!

40代・50代を過ぎると、なんとなく体の重さや腸の不調を感じること、ありませんか?
その症状、実は「食の欧米化」が関係しているかもしれません。
じつは私たち日本人は、もともと肉をあまり食べてこなかった民族。
戦後の食文化の変化で、お肉や乳製品が増えた現代。けれど、本来の体質は“和の食事”にこそ合っているんです。
ヴィーガンと聞くと難しそうに思えますが、和食の知恵を活かせば、実はとても自然で、無理のない形に。
6年ヴィーガン生活を続けてきた私も、がんを経験した体を「和のヴィーガンごはん」で整えてきました。
今では薬も不要、毎日を元気に楽しんでいます。
この記事では、和食とヴィーガンがどんなふうに相性が良いのか、
アラカン世代にとってやさしい「おおむねヴィーガンスタイル」の始め方をご紹介します。
- 日本人の腸に合ったヴィーガン的な食べ方とは
- 和食に含まれるヴィーガン向けメニューの種類
- 「肉を食べない」ではなく「和を取り戻す」という考え方
- 精進料理・発酵食・旬の力の活かし方
- 日常に取り入れやすい、やさしいヴィーガン献立のコツ
和食とヴィーガンは相性抜群?実は日本人向きの食生活

ヴィーガンと聞くと「サラダばっかり」「パンやナッツ中心の欧米スタイル」と思っていませんか?
でも実は、和食こそがヴィーガンと非常に相性の良い食文化なのです。
とくに40代以降、体調や腸の調子に敏感になるアラカン世代にとって、和食をベースにした“おおむねビーガン”な食事は、ムリなく取り入れられて、体にも心にもやさしい選択になります。

40代・50代になると「胃がもたれる」「疲れやすい」「便通が乱れやすい」など、食生活が体に与える影響を感じやすくなります。
そんな中、動物性食品を減らすヴィーガン的な食事は、負担の少ない食べ方として注目されています。
でも「完全ヴィーガンはハードルが高い…」と感じる人も多いですよね。
そんなときにぴったりなのが、“和食”ベースのおおむねヴィーガンスタイルです。
豆腐や野菜のおかず、味噌汁、漬物、炊きたてご飯──
これらはほとんどがヴィーガンに近い食材構成で、胃腸にもやさしく、栄養バランスも整っています。
私自身、がん治療を機に食生活を大きく見直しましたが、振り返ると“和食的ヴィーガン”が一番心身を整えてくれました。

近年、欧米では「気候変動」「動物福祉」「健康」を理由にヴィーガン人口が急増しています。
実際、ヴィーガン=サステナブルで未来志向の食生活として、企業や飲食業界も急速にシフトしています。
でも、それは日本にとって「新しい文化」ではなく、むしろ“戻るべき原点”とも言えます。
かつて私たちの祖先は、動物性をほとんど使わず、季節の野菜や大豆、発酵食で日々の食卓を彩っていました。
つまり、「和食=ヴィーガン的」な要素をすでに持っているんです。
和食の知恵を活かすことで、「制限」ではなく「回帰」としてのヴィーガンが実現できます。
ぜひ今日から、1品だけでも“和のヴィーガン”を取り入れてみませんか?
味噌汁を献立に加えるだけでも、立派な一歩です。
ギリシアにもあった、やさしい断食ごはん
実は和食と同じように、“動物性を控えた伝統食”を持つ国が世界にもあるんです。
たとえばギリシア。
オーソドックス(正教)の文化では、断食期間に肉・乳製品・卵を避ける食事が行われています。
白いんげん豆のトマト煮「ギガンデス」や、野菜たっぷりの煮込み料理などは、まさにヴィーガンと同じ考え方。
日本の精進料理とも、どこか通じるやさしさを感じます。
国が違っても、「心と体を整えるために“食べ方を見直す”」という文化があるのは、なんだか嬉しい気づきですよね。
日本人は肉を食べてこなかった?歴史から見る和食文化

「昔の日本人って、お肉あんまり食べなかったのよね」
そんな話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
実はそれ、本当なんです。
私たち日本人の食文化は、長いあいだ「菜食中心」が基本でした。
でもそのルーツは、じつは意外なところから始まっています。

肉をまったく食べていなかったわけではありません。
奈良時代より前の日本では、野生動物や魚を食べる“雑食”が当たり前でした。
イノシシ、シカ、ウサギなどを狩猟し、米や野菜とともに食べる暮らし。
この時代はまだ、動物性も植物性もバランスよく取り入れていたんですね。

転機となったのは、675年・天武天皇の「肉食禁止令」。
牛・馬・犬・鶏・猿など、特定の動物を食べることが禁じられ、
同時に、仏教の「殺生戒(せっしょうかい)」の教えが社会に広がっていきました。
この頃から、日本では「動物の命を奪わずにいただく=精進料理」という文化が根づいていきます。
豆類・海藻・野菜・きのこを活かした献立が発展し、
現代の和食の土台となる“菜食ベースの知恵”が育まれたんです。
とはいえ、ただ命令が出たから皆が守った、という単純な話ではありません。
当時は、仏教が国家の中心思想であり、「殺生を避けること」が支配者の徳とされていました。
さらに、家畜は農耕や運搬に使われる貴重な労働力で、日常的に食べる習慣もほとんどなかったのです。
また、神道においても「血」や「殺生」は穢れ(けがれ)とされていたため、
文化的にも“肉を避けるのが当たり前”という価値観が広がっていました。
こうした宗教・経済・文化の背景が重なり合って、
「菜食を中心とする暮らし」が自然なかたちで何世代にも受け継がれていったのです。

明治維新のあと、「西洋に追いつけ、追い越せ」という考えのもと、
政府は「肉を食べて体を大きくしよう」と肉食を積極的に推奨しはじめました。
牛鍋やカツレツなど、“洋食”が登場したのもこの時期。
さらに戦後の学校給食では、パン・牛乳・ハム・ソーセージなどが当たり前になり、
本来の和食から遠ざかったことで、便秘・高血圧・がん・糖尿病など生活習慣病が急増しました。
私もがんを経験してから、ふと思ったんです。
「体に合っていないものを“当たり前”として受け入れていたかもしれない」と。
和食に戻すことは、“制限”ではなく“整える”こと。
まずは昔ながらの菜食ごはん、1食だけでも意識してみませんか?
魚って昔から食べてたの?
「日本人は魚を昔からたくさん食べてたんでしょ?」と思っていませんか?
でも実は、魚食にも“時代と地域の差”があったんです。
奈良時代には、仏教の影響で魚も殺生とみなされ、食を控える風潮が広がっていました。
江戸時代に入ってようやく、江戸の町人文化の中で天ぷら・寿司・煮魚などが登場し、
それが「和食=魚」のイメージを強めたんですね。
けれど当時も、生魚を常食できたのは海に近い都市部に限られていました。
内陸の山間部や農村では、川魚や植物性の食材中心の生活だったんです。
つまり「日本人全員が昔から魚を食べていたわけではない」んですね。
今の食文化は、保存や輸送の技術が発達した近代になってはじめて全国に広がったもの。
こうしてみると、魚ナシの食生活も“日本の伝統”のひとつだったとも言えそうです。
菜食でも元気だった?昔の日本人の健康事情

「肉を食べないと元気が出ない」「たんぱく質が足りなくなる」
そんなイメージがあるかもしれませんが、実は私たち日本人は1000年以上も“ほぼ菜食”で暮らしてきた民族です。
では、その間に体はどうだったのか?
本当に健康だったのか?
現代の私たちが見習えるヒントが、そこにはたくさんあります。

動物性を使わない精進料理は、単なる「質素な食事」ではありません。
豆・米・野菜・海藻・きのこ・発酵食品をうまく組み合わせることで、
肉がなくても、必要なたんぱく質やビタミン・ミネラルをきちんと補えていました。
- 米+大豆
→アミノ酸スコアの高い組み合わせ - 味噌・漬物
→腸を整える発酵食品 - 海藻・干し椎茸
→鉄分やビタミンDの供給源
つまり、昔の人は知恵と手間をかけて、自然に栄養バランスを整えていたんです。

当時の人々は、毎日が「体を使う暮らし」そのものでした。
農作業、炊事、移動……すべてが筋力と代謝を支える運動になっていたんですね。
また、よく噛んで食べる・早く寝る・自然と共に暮らすといった生活習慣が、
今で言う“免疫力アップ”や“自律神経の安定”にしっかりつながっていました。

江戸時代の平均寿命は40〜50代前半といわれますが、
それは乳幼児の死亡率が高かったことや感染症の流行が主な原因。
実際に高齢まで生きた人は、畑を耕し、自分の足で歩き、最後まで元気に暮らしていた例もたくさんあります。
つまり、菜食でもしっかり健康に生きていたということ。
むしろ、生活習慣病や腸の不調が目立つ現代だからこそ、
和食ベースの“やさしい食事”に戻す価値が見直されているんです。
今の私たちには医療もサプリもありますが、
「食で整える」という昔の知恵は、アラカン世代の今こそ、取り戻したい習慣だと思います。
日本人の腸には和食が合う?体質と食の相性を考える

年齢を重ねると「胃もたれする」「便秘がち」「なんとなく疲れやすい」と感じること、ありませんか?
それ、実は私たち日本人の体質と今の食生活との“ミスマッチ”が原因かもしれません。
特にアラカン世代にとっては、“何を食べるか”が体調にダイレクトに響きます。
だからこそ、自分の腸と相性のいい食べ方を知ることが、とても大事なんです。

一説には、日本人の腸は欧米人よりやや長めだといわれています。
中でも大腸が長く、植物繊維を時間をかけて消化吸収するのに向いている構造だという仮説があります。
肉中心の食事は欧米型の短い腸には効率的ですが、
長い腸では消化に時間がかかり、腸内で腐敗物が増えるリスクも。
この違いが、「動物性をとると体が重く感じる…」という実感につながっているのかもしれませんね。

日本人は古くから、海藻や豆類、発酵食品を日常的に食べてきた民族です。
その影響で、腸内にはそれらを分解・吸収できる特有の細菌(例:バクテロイデス・プレベウス)が確認されています。
- 納豆菌や乳酸菌
→ 善玉菌を育てる - 海藻
→ 食物繊維+ミネラルが腸を整える - 味噌
→ 免疫にも関わる腸内環境をサポート
こうした“腸にやさしい和の食材”を活かせる体質が根づいているんです。

和食が「体にいい」と言われる理由は、腸だけにとどまりません。
昔ながらの一汁三菜スタイルは、自然と以下のバランスが整う構成になっています。
主食(ごはん)+汁物+主菜+副菜+発酵食品
→ 炭水化物、植物性たんぱく、食物繊維、ビタミン・ミネラルがバランスよくとれ、
→ 食べ過ぎず、消化にやさしく、腸内環境も整いやすい
加えて、咀嚼回数の多い和食は血糖値の急上昇を防ぎ、満足感も得られやすいという研究もあります。

40代後半から、消化酵素の分泌は徐々に落ちていきます。
重いお肉や脂っこい料理は、腸に長くとどまり、疲労や便秘の原因にも。
そんなとき、和食をベースに動物性を控える食事は、腸にとっては“ほっとできる休憩タイム”のような存在。
私も、がん治療後に体調を整える中で、胃腸の不快感が激減したのは“和のヴィーガン食”に変えてからでした。
「最近なんとなく体が重い」と感じたら、
まずは今日の一食を、やさしい和の献立にしてみませんか?
Shojin Ryoriは海外でも人気!
最近、ニューヨークやロンドン、パリなどの都市で密かに注目を集めているのが、
“Shojin Ryori”=日本の精進料理です。
「動物性を使わない」「旬を大切に」「五感で味わう」──
その精神や調理法が、ヴィーガン志向の人たちにとっては新鮮で魅力的なんだとか。
特に人気なのが、豆腐・味噌・海藻・野菜を使った彩り豊かな和の一皿。
“体にも地球にもやさしいアート”として海外メディアにも紹介されています。
世界が今、あらためて和の菜食に注目している。
そんな時代だからこそ、日本に住む私たちが“その価値”を思い出す番かもしれませんね。
和食をヴィーガンに活かす|発酵・旬・地の物の力

ヴィーガンと聞くと、「サラダだけ」「味が淡白そう」なんてイメージ、ありませんか?
でも和食には、そんな不安を吹き飛ばす豊かな味の土台=発酵・旬・土地の力がたくさん詰まっています。
実はこれらの要素こそが、日本人の体と心に合った“やさしい食べ方”なんです。

味噌、醤油、ぬか漬け、納豆──
どれもヴィーガン対応でありながら、深いコクと滋養をもたらす万能食材です。
- 味噌汁は、野菜と昆布だけでも“だし要らず”の旨味に
- 納豆は、たんぱく質・食物繊維・ビタミンK2などを含むスーパー発酵食
- 漬物は、酵素と乳酸菌で腸を整え、食卓に彩りもプラス
「発酵は時間がかかる」けれど、その分、体の奥までじんわり届く栄養と味わいがあるんです。

四季のある日本では、その季節に合った食べ物が自然と育ちます。
これが「旬の食材は、その季節に必要な栄養を持っている」と言われる理由。
たとえば
- 春:苦味のある山菜
→ デトックス作用 - 夏:水分の多いきゅうり・トマト
→ 体を冷やす - 秋:根菜やきのこ
→ 胃腸を温める - 冬:発酵食品・豆類
→ 免疫アップ
和食は、旬を取り入れることで“自然と調和した食べ方”ができるヴィーガン食でもあるんです。

精進料理や昔の和食では、動物性を使わずに旨味を引き出す工夫がたくさんありました。
昆布や干し椎茸、干し野菜や根菜などを組み合わせることで、
深みのある「植物性のだし」が生まれたんです。
たとえば
- 昆布+干し椎茸
うま味の“黄金コンビ” - ごぼう・にんじん・玉ねぎの煮出し
甘みと香りが溶け出す“野菜だし” - 切り干し大根や高野豆腐
乾物から出る、凝縮された風味とコク
だしをとらなくても、具材そのものの味を引き出せば十分おいしく仕上がります。
和食は、引き算で味わいをつくる文化。
植物性だけでも、体にやさしく、満足感のある旨味が実現できるんです。

「身土不二(しんどふじ)」という言葉をご存知ですか?
これはもともと仏教の教えに由来する言葉で、
「人の体と生きる土地は切り離せない一体のもの」という意味があります。
江戸時代の養生書や、昭和初期の食養運動(マクロビオティック)を通じて、
この言葉は「地元の旬の食材をいただくことが、体調や健康を整える最善の道」として広まっていきました。
地元でとれた野菜を選ぶことは、
- 体に合いやすく、
- フードマイレージも減って環境にもやさしく、
- 生産者とのつながりも感じられる
つまり、ヴィーガンでありながら、自然と人との共生を大切にする“日本ならでは”の知恵なんです。
よりそいヴィーガン献立|アラカン世代におすすめの食卓

「ヴィーガンにしたいけど、家族と食事が違うと大変そう…」
「続けられるか不安…」
そんな気持ち、よく分かります。
でも実は、“完全”でなくてもいいんです。
とくに和食なら、「いつもの食卓をちょっと工夫するだけ」で、
体にやさしいヴィーガン献立に近づけることができるんですよ。

1日の始まりに“ほっとする”和の朝食。
この時間をヴィーガンに近づけるだけで、腸と心にやさしいスイッチが入ります。
- 白米 or 発芽玄米+雑穀ごはん
- 野菜と豆腐の味噌汁(昆布だし)
- ぬか漬け or 浅漬け
- 納豆+小ねぎ+ごま
- 焼きのり or 海苔の佃煮
- 蒸しかぼちゃ or 残り野菜の煮物
どれも、手軽・低コスト・植物性100%。
“おかずを選ぶ”のではなく、“いつもの品を見直す”だけでOKなんです。

「朝ごはんに和食」に慣れてきたら、お昼や晩ごはんにもヴィーガン和食を取り入れてみませんか?
和食には、もともと動物性を使わずに作れる栄養バランスの良いおかずがたくさんあります。
たとえば
- ひじきの煮物
鉄分・食物繊維・カルシウムが豊富な“和の栄養食” - 切り干し大根の煮物
保存が効き、干し椎茸のだしで旨味もたっぷり - 白和え
豆腐+ごま+青菜の黄金トリオでたんぱく質とミネラル補給 - きんぴらごぼう
肉なしでもごま油と歯ごたえで満足感大 - なすの煮びたし
夏にうれしい、じゅわっとやさしい副菜
どれも作り置きができて、ほかの料理と組み合わせやすいのが魅力です。
また、主菜として楽しめる和のヴィーガンメニューも充実しています。
- 炊き込みごはん(きのこ・根菜・油揚げ)
- 豆腐ハンバーグ or がんも風煮物
- 精進カレー(根菜+和風だし)
- 野菜の天ぷら(卵なし衣)
和の調味料や素材の組み合わせを工夫することで、体にやさしく、満足感のある献立が自然に生まれるんです。
「朝ごはんだけでなく、昼・夜も無理なく」
そんなふうに、1日トータルで“和のヴィーガン”を取り入れてみましょう。

「家族はお肉が好き」「子どもが物足りなさそう」
そんなときも、副菜をヴィーガンにして、主菜は別盛りにするだけで無理なく両立できます。
- 大皿のおひたし・きんぴら・白和えは全員でシェア
- メインは肉入りと肉なしを味付けは同じで分けて調理
- 子どもには“豆腐ハンバーグ”や“テンペの照り焼き”など、食べごたえある植物性メニュー
私の家でも、「今日は一緒の味噌汁だけ動物性ナシで作ってみたよ」っていう日がよくあります。
それだけでも、自分の体調に寄り添った食事になりますし、家族に「ちょっと変化を伝える機会」にもなります。
「全部変えよう」と思わなくてもいい。
“1品だけ変える”、それだけでも食卓は変わります。
そして、その変化はきっと、体にも心にも届いていきますよ。
よくある質問|和食ヴィーガン、ここが気になる!

以下に、よくある質問をまとめてみました。
- かつお節を使わないと、和食の味が物足りなくなりませんか?
- 大丈夫です! 昆布+干し椎茸、または野菜の煮出しでうま味はしっかり出ます。
味噌や醤油のコク、食材本来の甘みを活かせば「むしろからだが喜ぶ味」と感じる方も。
時にはだしを使わなくても、具材+調味料だけで美味しい味噌汁や煮物も作れますよ。
- 家族が肉好きで、ヴィーガン料理に反対されそうです…
- 全部一緒にしなくてもOKです。 副菜だけヴィーガンにして、主菜だけ分けるスタイルもおすすめ。
「今日のお味噌汁だけは動物性なしで」といった“部分ヴィーガン”の導入が続けやすさのコツです。
- たんぱく質が不足しないか心配です…
- 和食には植物性たんぱく質の宝庫がたくさん!
豆腐・納豆・味噌・おから・高野豆腐など、1日を通して摂れば十分カバーできます。
炭水化物との組み合わせ(例:ごはん+味噌汁+豆料理)でアミノ酸もバランスよく補えます。
- 発酵食品って塩分が多いのでは?体に悪くない?
- 量とバランスを意識すれば、むしろ腸と血圧の味方になります。
味噌や漬物も「薄味で」「回数を分けて」楽しめば問題なし。
発酵の力で腸が整い、結果的に代謝や免疫アップにもつながると考えられています。
- 外食や旅行先ではどうしたらいいですか?
- 完璧を目指さず、“できる範囲でやさしく”がコツです。
和定食や精進料理、野菜中心のお店を選ぶなど、小さな工夫で大丈夫。
無理せず、楽しむことがいちばん。“Almost Vegan”の心で向き合いましょう。
おわりに|和食ヴィーガンで整う、やさしい毎日

私たち日本人は、千年以上にわたって動物性に頼らない“やさしい食文化”を育んできました。
かつては精進料理、そして今では和食として、その知恵は今も日々の食卓に息づいています。
ヴィーガンと聞くと「難しそう」「特別なもの」と感じるかもしれません。
でも、炊きたてのごはんに味噌汁、煮物や漬物…。
私たちの身近な和食は、すでにおおむねヴィーガンなんです。
40代、50代になると、体の声が少しずつ変わってきます。
「疲れがとれない」「腸の調子がイマイチ」「食後に重い」——
そんな小さなサインに寄り添う方法のひとつが、“やさしい和のヴィーガン”です。
私自身、がんという人生の転機を経て、
和食ベースのヴィーガン食で心身がスーッと整う感覚を知りました。
今では、薬を手放し、元気にトレーニングも楽しめる毎日です。
まずは「だしを昆布に変えてみる」「お昼に常備菜を足してみる」など、1日1品からのスタートでOK。
やさしく、たのしく、ゆっくりと。
自分と向き合う“整えの食卓”、始めてみませんか?