
アラカン紳士さん、最近、何を食べても胃が重うございますの。
まさか、私の愛してやまないパンやパスタが原因では…?

ほほう、それはもしや“グルテン”のお話かもしれませぬな。
お身体がやさしさを求めている証かと。

まあ…グルテンと申しますと、小麦のことでしょう?
でもヴィーガンであれば大丈夫なのでは?

ところが、ヴィーガンとて油断は禁物なのです。
グルテンは植物性でも、侮ると体に炎を起こすこともあるのです。
はじめに|その不調、小麦かもしれません

食事には気をつけているのに、なんとなく体が重い。
肌の調子もすっきりしないし、気分までどんより。
それ、もしかすると「グルテン」が関係しているかもしれません。
グルテンとは、小麦などに含まれるたんぱく質の一種のこと。
パンや麺類、揚げ物、調味料にまで潜んでいて、知らぬ間に体をじわじわと疲れさせている可能性も…
この記事では、アラカン世代に多い“なんとなく不調”の背景にあるグルテンの影響を解説しながら、ヴィーガンという視点から「整える食習慣」をご紹介していきます。
- グルテンが体に与える本当の影響とは?
- セリアック病・過敏症のチェックポイント
- ヴィーガンでも注意すべき“隠れグルテン”
- グルテンフリー×ヴィーガンの食生活実践法
- 続けるための心構えと、ゆるやかな始め方
なぜいま「グルテン」が問題視されているのか

私たちは毎日のように、パンやパスタ、小麦を使った料理を食べています。
でも、その当たり前が、体調の乱れにつながっているかもしれません。
特に40代以降の体は、ちょっとした食の変化に敏感です。
まずはグルテンの正体から、一緒に見直してみましょう。

グルテンとは、小麦・大麦・ライ麦などに含まれる「たんぱく質の一種」です。
小麦粉を水でこねると、あのもちもち・ふわふわの食感が出るのは、グルテンの働きによるものです。
グルテンは粘着性・弾力性が高く、パン、パスタ、うどん、ピザなど、私たちの食生活に深く浸透しています。
さらに、揚げ物の衣、加工食品、カレーのルー、醤油やドレッシングといった調味料にも“隠れグルテン”が含まれていることも多く、完全に避けるのは一見難しそうに感じるかもしれません。

年齢を重ねると「なんとなく調子が悪い」という声が増えてきます。
その原因が、グルテンにある可能性もあるのです。
グルテンは消化しにくく、腸壁に炎症を起こす場合があり、それが慢性的な疲れ・便秘・下痢・肌荒れ・集中力低下などにつながるとされています。
特にアラカン世代では、消化力や免疫機能がゆるやかに低下する時期でもあり、小麦製品が体の負担になっているケースが少なくありません。

最近では、「グルテンが脳や精神にも影響する」という研究も増えています。
ADHDやうつ症状、不安感の悪化などが、グルテン過敏と関係している可能性も指摘されているのです。
私自身、かつては小麦中心の食生活をしていましたが、グルテンを控えてから気分の落ち込みが減り、肌のかゆみも軽くなった実感があります。
「パンをやめるのは無理」と思う方も多いかもしれませんが、我慢ではなく“整える”ためのやさしい選択として、グルテンとの付き合い方を見直してみるのも一つの方法です。
もしかして、わたしも?「グルテン過敏」チェックリスト

疲れやすい、集中できない、肌が荒れる。
すべて、年齢のせいだと思っていませんか?
もしかすると、毎日のパンやパスタが、その不調に関係しているかもしれません。
グルテンに過敏な人は、検査では異常が出にくいのも特徴です。
まずは、自分の体に当てはまるサインをチェックしてみましょう。

グルテンを摂取した際に起こる症状は、消化器系だけにとどまりません。
実際に、非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)と呼ばれる症状群は、検査では異常が出にくく、見過ごされやすいのが特徴です。
以下は、グルテンが引き起こすとされる代表的な症状です
- 腹部膨満感・ガス・おならが増える
- 便秘または下痢が続く
- 食後にお腹が張る・胃が重くなる
→ グルテンは腸に微細な炎症を起こすとされ、「リーキーガット症候群(腸もれ)」の一因になることもあります。
- 湿疹やかゆみ、赤みが出やすい
- 頭皮のかさつき、にきびが悪化する
→ 特にセリアック病患者には「皮膚型セリアック病(皮膚炎ヘルペチフォーム)」が確認されるケースもあります。
- 集中力が続かない「ブレインフォグ(脳の霧)」
- 気分が落ち込みやすい、イライラしやすい
- 睡眠の質が悪化する
→ 2020年のレビュー研究では、非セリアック性グルテン過敏症の患者の多くに神経症状が認められるとされています
- 慢性的な疲労感、朝のだるさ
- 筋肉痛や関節の違和感
- ホルモンバランスの乱れ(月経不順、むくみなど)
→ 慢性炎症がホルモン系にも影響する可能性があり、女性ホルモンと腸内環境の関係性も注目されています。

これは、グルテン過敏の可能性を探るための簡易セルフチェックリストです。
医療機関での診断ではありませんが、食習慣と体調の関係を見直す参考になります。
🟡 2~3項目以上当てはまる方は、グルテンが体に合っていない可能性も。
🟢 5項目以上の方は、一度1週間だけグルテンを控えてみる価値ありです。

セリアック病やアレルギーの疑いがある場合は、自己判断でグルテンを抜く前に、医療機関での検査が必要です。
特に栄養不良・体重減少・強い腹痛がある場合は、医師に相談することが推奨されます。
そのうえで、この記事では気軽に試せる「1週間グルテンオフ」という実践法をご提案していきます。
👉次章では、パンや麺類以外にも潜んでいる“意外なグルテン食品”をご紹介します。
ヴィーガン食品でも油断できない落とし穴にご注意を。
「小麦が人間を支配している」って本当?
ユヴァル・ノア・ハラリさんのベストセラー『サピエンス全史』には、思わず笑ってしまうような一節があります。
それは、「人間が小麦を栽培してきたのではなく、小麦こそが人間を“使って”広がってきた」という話。
何万年も前、人間は自由に狩りをして暮らしていました。ところが農耕が始まり、小麦を育てるために早起きし、水を運び、害虫と闘う日々へと変わったのです。
ハラリさんいわく、小麦は人間を「定住させて」「労働に駆り立てて」「人口を増やさせて」、ついには地球を覆うほどに繁栄した植物。
まるで、「働け!もっと畑を耕せ!」と小麦に命令されていたかのようですね。
もちろんこれは比喩ですが、小麦が私たちの暮らしや食文化に深く入り込み、知らず知らずのうちに“支配されている”一面もあるのかもしれません。
今こそ一度立ち止まって、「小麦中心」から少し離れてみることも、やさしい選択ではないでしょうか。
どこに潜んでいる?グルテンを含む食品と“意外な落とし穴”

グルテンといえば、まず思い浮かぶのはパンやパスタかもしれません。
でも実は、毎日何気なく食べているあれこれにも、小麦は隠れています。
「これも?」と驚くような食品にも、意外な形で使われているのが現実です。
ここでは、避けるためにまず知っておきたい“潜む場所”を具体的に解説します。

グルテンは、パンや麺類だけに含まれていると思っていませんか?
実は、調味料や加工品、冷凍食品、お菓子類などにも小麦由来の成分が含まれていることが多いのです。
たとえば
- カレーのルー
とろみを出すための小麦粉が主原料 - 醤油
本醸造タイプの多くは小麦を使用(※グルテンフリー醤油もあり) - ドレッシング
乳化剤や増粘剤に小麦由来のものが含まれることがある - 揚げ物
衣だけでなく、下味の粉にも小麦粉使用 - 冷凍食品
とろみ・香ばしさ・粘度の調整に小麦成分が使われがち
パッケージ裏の原材料表示を見て、「小麦」や「グルテン」の表記をチェックするクセをつけましょう。

「グルテンフリー」と書いてあれば完全に安心、とは限りません。
実は、国によってグルテン含有量の基準が異なり、日本では表記義務も明確ではないのが現状です。
- EU(欧州連合)
20ppm未満なら「グルテンフリー」と表示OK - アメリカ
FDAの定義も同様に20ppm未満 - 日本
明確な基準なし。
メーカー任せの表記が多い
つまり、「グルテンフリー」と書かれていても、微量のグルテンが含まれている可能性があるということ。
特にセリアック病や強い過敏症がある人は、「完全除去」が必要となるため、「グルテン不使用」と記載された製品や、成分表示が明確なものを選ぶようにしましょう。

「ヴィーガンだから安心」と思って選んでいた食品が、実はグルテンだらけだった…。
そんな落とし穴も少なくありません。
たとえば
- 大豆ミートの唐揚げタイプ
→ 小麦粉入りの衣を使用していることが多い - ヴィーガンカップ麺やインスタント食品
→ 小麦麺を使っている場合あり - 植物性のクッキー・ケーキ
→ 米粉ではなく小麦粉ベースのことも
ヴィーガン食品は「動物性原料を使っていない」というだけであり、小麦やグルテンの使用とは無関係です。
「ヴィーガン×グルテンフリー」の両方に対応している商品を選ぶには、“成分表示をよく読む”習慣が大切です。
👉次章では、グルテンを無理なく減らすための「1週間おためしプラン」をご紹介します。
今日からすぐできる、やさしい始め方をチェックしてみましょう。
成分表示、どこを見ればいいの?
「小麦」と書いてあれば避けられると思っていませんか?
実は、グルテンが含まれていても“小麦”と書かれていない場合もあります。
ポイントは以下のような原材料名です:
小麦粉、強力粉、薄力粉
小麦グルテン、小麦たんぱく
セモリナ粉(デュラム小麦由来)
麦芽エキス、小麦胚芽
加工品の場合、「でん粉」「植物性たん白」としか書かれていないことも。
「アレルゲン表示欄」に『小麦』とあるかどうかも必ず確認しましょう。
「グルテンフリー」と書かれていても、「本当に安心か」は別問題。
慣れるまでは少し面倒ですが、「読み慣れる」ことが一番の安心につながります。
グルテンフリー生活を始めるには?1週間お試しガイド

「グルテンが合わないかも…」と思っても、いきなり食生活を変えるのはハードルが高く感じますよね。
でも、1週間だけ“ゆるく試してみる”ことなら、今日からでも始められます。
この章では、無理なく続けられるやさしい工夫とコツをまとめました。
まずは気軽な気持ちで、グルテンオフの1週間を体験してみませんか?

まずは、1週間で使う主な食材を「足す・置き換える」視点で準備してみましょう。
- 白米、玄米、雑穀米
- 米粉パン、玄米パン
- 米粉うどん、フォー、ビーフン
- 大豆ミート、豆腐、テンペ、高野豆腐
- グルテンフリー醤油(例:たまり醤油)
- 野菜・きのこ・海藻類
- オリーブオイル、ごま油、スパイス類
- ナッツ、味噌(米味噌)、無添加だし
- 和食の定食(白米+焼き魚+おひたし等)が基本的に安全
- 「米粉パンありますか?」とカフェで尋ねてみるのも◎
- ファミレスやコンビニでは、おにぎり・サラダ・スープ類を選ぶ

グルテンフリーの基本は、「小麦を含むものを避ける」だけ。
完璧でなくても大丈夫。以下は、1週間のおおまかな献立例です。
時間帯 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
朝食 | 米粉パン+豆乳ヨーグルト+バナナ | おにぎり+味噌汁+果物 | グラノーラ+豆乳 | 米粉パン+バナナ+ハーブティー | オートミール+豆乳+果物 | 焼きおにぎり+野菜スープ | 米粉パン+アボカド+味噌汁 |
昼食 | 雑穀米+野菜炒め+温泉卵 | 米粉うどん+青菜のナムル | フォー+サラダ+柑橘類 | おにぎり+豆腐ハンバーグ | 米粉ラップサンド+スープ | 米粉パスタ+トマトソース | フォー+春巻き風サラダ |
夕食 | 和風プレート(ごはん+味噌汁+焼き野菜+納豆) | グルテンフリーパスタ+蒸し野菜+フムス | 野菜カレー(ルウ不使用)+ターメリックライス | 雑穀米+豆乳味噌スープ+青菜炒め | 豆カレー+玄米 | ベジ餃子+玄米 | 味噌豆乳鍋+雑炊 |
間食 | ナッツ・ドライフルーツ | 米粉のスコーン | 甘栗・焼き芋 | 寒天ゼリー | ドライフルーツ+くるみ | おからクッキー | 蒸しかぼちゃ+ナッツ |

自分だけグルテンフリー…と思うと、孤独感や手間が気になりますよね。
でも、「みんなで食べられる料理を、少しだけ工夫」するだけで十分です。
カレーは「ルーなし」で作り、ご飯は共通に
パンは家族用と米粉パンを並べて出す
唐揚げは衣を米粉にすれば、全員分に応用可能
「取り分け」で対応できる料理が多く、家族に負担をかけずに続けられます。
まずは“1品だけグルテンフリー”から取り入れてみましょう。
👉次章では、パン・パスタを我慢せずに楽しむ「おすすめ商品&レシピ集」をご紹介します。
市販品も、おうちごはんも、選択肢はこんなに豊富です。
パン・パスタも我慢しない!おいしい代替とレシピ集

「グルテンフリー」と聞くと、パンやパスタをあきらめなければいけないと思っていませんか?
でも実際は、代替品の選択肢もレシピの幅もどんどん広がっています。
むしろ、小麦を使わないことで素材の味を楽しめる新しい発見もたくさん。
この章では、我慢しないで“おいしく整える”工夫をご紹介します。

最近では、「グルテンフリー+ヴィーガン対応」の商品が手に入りやすくなってきました。
以下は、全国で購入しやすく、味や食感の評価も高いものばかりです。
商品名 | 特徴 | 入手先 | おおよその値段 |
---|---|---|---|
ZENB ゼンブヌードル | グルテンフリーのパスタ。糖質制限対応。8食入り。 | ネット通販、スーパー | 約2,434円 |
米粉食パン | 九州産米粉100%使用。グルテンフリー&ヴィーガン対応。 | 楽天市場、通販サイト | 約5,750円(4個セット) |
グルテンフリーお好み焼き粉 | 小麦粉不使用。米粉を使用したお好み焼き粉。 | スーパー、ネット通販 | 約1,200円 |
グルテンフリーラーメン | 小麦不使用のラーメン。ヴィーガン対応。 | ネット通販、専門店 | 約1,500円 |
ヴィーガン・グルテンフリークッキー | こんにゃく粉を主成分としたクッキー。グルテンフリーでヴィーガン対応。 | ネット通販、健康食品店 | 約1,400円 |
👉 各商品に「グルテンフリー」と記載があっても、成分表示の確認は忘れずに。

以下に簡単にできる、ヴィーガン×グルテンフリーのレシピを紹介します。
レシピ名 | 材料 | ポイント | 作り方(簡易) |
---|---|---|---|
米粉のもちふわパン(ホームベーカリーでも) | 米粉、無調整豆乳、オリーブオイル、塩、ドライイースト | グルテンがない分、成形せず型焼きが基本。お米の甘みを活かすレシピが◎ | 材料を混ぜて型に流し込み、ホームベーカリーやオーブンで焼く。 |
野菜たっぷりフォー(10分で完成) | フォー麺(米粉)、豆もやし、パクチー、レモン、ヴィーガンスープの素 | トッピング自由。ナンプラー風味が欲しいときは、椎茸と醤油+レモンで代用可能 | フォー麺を茹で、具材とともにスープに加えて軽く煮る。 |
米粉ガレット(おかずクレープ) | 米粉、水、塩、ひよこ豆のペースト、アボカド、トマト | フライパン1枚で完結。朝食やランチにも使える万能メニュー | 材料を混ぜて生地を作り、フライパンで薄く焼いて具材を巻く。 |

手作りはコストパフォーマンスに優れますが、毎日は大変。
市販品と手作りをうまく組み合わせると、無理なく続けられます。
- 朝は市販の米粉パンで手軽に
- 昼は冷凍ストックのパスタやお好み焼きを活用
- 週末に米粉スイーツをまとめて作り冷凍保存
冷凍保存OKのメニューが多いのも、グルテンフリーのうれしいポイント。
「作る日」と「頼る日」を分けて、心もゆるめる選択を。
👉次章では、「なぜヴィーガンがグルテンフリーと相性がいいのか?」を解説します。
ただの健康法ではない、価値観のつながりにも注目してみましょう。
なぜヴィーガンと相性がいい?グルテンフリーという生き方

グルテンフリーとヴィーガン、一見すると別々の考え方に見えるかもしれません。
でも実は、どちらも「体と心を整える」「余計な負担を減らす」ことを大切にする食の選択。
それぞれを実践してきた中で、両方に共通する“ある変化”に気づいた人も少なくありません。
この章では、両者が重なるポイントと相乗効果について深掘りしていきます。

ヴィーガン食とは、動物性の食品を一切摂らないスタイル。
その基本は「植物性食品を中心に、未精製でシンプルな食材を大切にする」ことです。
この食事法は、腸内細菌のバランスを整えやすく、炎症を抑える効果があるとされ、近年の研究でも「ヴィーガンは腸内環境が多様で安定している」という報告が増えています。
また、加工度が低く、余計な添加物や動物性脂肪も少ないため、グルテンを控えたい人にとっても身体の負担を減らす食スタイルとして好相性。
つまり、ヴィーガンを実践することが結果的に“グルテンも減らせる”生活につながるのです。

グルテンによる問題の本質は、「慢性的な炎症」にあります。
腸内環境を乱し、免疫系や神経系にも影響を及ぼすグルテンは、“炎症体質”の火種にもなりかねません。
一方で、ヴィーガン食は
- 抗酸化作用のあるビタミン・ミネラルが豊富
- 食物繊維が多く、腸内細菌のエサになりやすい
- 精製糖・動物性脂肪・添加物を避けやすい
こうした要素が重なり合い、グルテンフリーの弱点(代替食の偏り・栄養不足)をカバーしてくれるのです。
ヴィーガン×グルテンフリーは、どちらか一方だけよりも、心身にとってバランスの取れた食習慣といえるでしょう。

ヴィーガンとグルテンフリーを両立することは、「あれもダメ」「これもダメ」と感じるかもしれません。
でも、視点を変えればそれは、“自分の体にとって本当に必要なものだけを選ぶ”生き方です。
たとえば
- 米・豆・野菜・海藻・ナッツなど、シンプルで体にやさしい食材
- 小麦や動物性の代わりに、米粉・オートミール・大豆ミートを活用
- 味つけも、発酵調味料やスパイスで自然な深みを
これは制限ではなく、軽やかに生きるための整え方。
不調の原因を少しずつ減らし、自分をいたわる感覚に気づけるのが、ヴィーガン×グルテンフリーの魅力です。

海外では「動物性を避ける」「グルテンを避ける」は、単なる健康法ではなくライフスタイルの表現と受け止められています。
特にヴィーガンとグルテンフリーの共通点は:
- 自分にとってやさしい選択
- 誰か(動物・環境・未来の自分)にもやさしい選択
- “より自然な食”への意識
こうした背景から、「ヴィーガン×グルテンフリー」専門のレストランや商品も年々増加。
日本でもその流れはじわじわと広がっており、今後の食の新しい基準になる可能性も感じられます。
👉次章では、よくある疑問や誤解をFAQ形式で整理します。
「ダイエット目的じゃないの?」「糖質オフとは違うの?」といった声にしっかりお答えします。
なぜ日本ではグルテンへの意識が低いの?
日本では「パンやラーメンで不調に?」と驚かれることも多いですが、
実はグルテンの影響に気づきにくい社会背景があります。
欧米では、セリアック病や非セリアック性グルテン過敏症の診断基準や医療体制が整っており、
「これはグルテンのせい」と早期に判明するケースが多いのです。
対して日本では、そうした診断が普及しておらず、不調が“年齢や生活習慣のせい”と片付けられがち。
でも、毎日当たり前に食べている小麦が、体のサインを引き起こしていることもあります。
まずは「知ること」から。気づきが、整う第一歩になります。
よくある質問

「グルテンフリーって、痩せるって聞いたけど?」「ヴィーガンとどう違うの?」
よく耳にする疑問や誤解を、ひとつずつやさしくクリアにしていきます。
知識が曖昧なままだと、せっかくの実践も遠回りに。
最後に、読者の気になる“よくある質問”をまとめました。
- グルテンフリー=ダイエット目的なの?
- グルテンフリーは「体重を減らす」ための手段ではなく、健康を整える食スタイルです。
確かに、小麦製品を控えると食事がシンプルになり、間食が減って痩せやすくなる人もいます。
でも本来の目的は、「腸内環境を整える」「炎症を抑える」「不調の原因を避ける」こと。
痩せるかどうかはあくまで“副産物”のひとつと考えるのが自然です。
- ヴィーガンとどう違う?両立できる?
- ヴィーガン=動物性食品をとらない
グルテンフリー=小麦などのたんぱく質(グルテン)を避ける
それぞれの主軸は違いますが、「体にやさしい選択」という価値観でつながっているのがポイントです。
実際、ヴィーガン食をベースにグルテンを控えることで、より整った体調を感じたという声も多くあります。
両立は難しくなく、むしろ「相乗効果が高い」食の組み合わせです。
- 完全にグルテンを抜かないと意味がない?
- そんなことはありません。
「完全除去」は、セリアック病などの医学的必要がある人のケースです。
一方、過敏症や“なんとなく不調”タイプの人は、“ゆるグルテンフリー”でも効果を感じやすいとされています。
毎日のパンを米粉パンに置き換える
外食の選び方を変える
小麦を抜く日を週に2日つくる
このような“できる範囲での軽減”でも十分な変化を感じることがあります。
- 小麦をやめたら栄養が偏らない?
- 心配ありません。
グルテン=たんぱく質の一種ですが、小麦以外にも植物性たんぱく源はたくさんあります。
大豆・高野豆腐・豆腐・テンペ
レンズ豆・ひよこ豆
玄米やキヌア・雑穀
ナッツ類
これらを組み合わせることで、ヴィーガンでもグルテンフリーでも栄養はしっかり補えます。
むしろ、食のバリエーションが広がる方も多いのです。
- 日本でやるのは難しい?
- たしかに、日本ではグルテンフリーの表示や商品がまだ少ないかもしれません。
でも、米が主食の日本だからこそ、工夫しだいで実践しやすい土台があるとも言えます。
米・豆・野菜・発酵食品が中心の和食文化
コンビニやスーパーに白米・おにぎり・味噌汁がある手軽さ
「自炊ベース」にするだけで多くのグルテンを自然に避けられる
完璧を目指さなくてもいいのです。
「ちょっとだけ整える」気持ちから始めてみましょう。
おわりに:グルテンを減らす、というやさしい選択

小麦が体に合わないと気づいたとき、それは「制限」ではなく「気づきの始まり」かもしれません。
パンやパスタを我慢するのではなく、“整える”ことを大切にする選択。
ヴィーガンというやさしい食の価値観が、それを後押ししてくれます。
これまでの食生活が当たり前すぎて、見過ごしてきた不調。
「グルテンを減らす」ことで、眠っていた自然治癒力が目を覚ますこともあります。
わたし自身も、がんの経験を経て薬を手放し、
ヴィーガンとグルテンフリーを通じて、体の声を聞くようになりました。
今では、検査値も正常、薬もゼロ。
毎日スポーツを楽しむほど元気です。
小さな違和感やモヤモヤに「もしかして」と目を向けてみること。
その直感を信じて、“試してみる”やさしい行動を。