
ヴィーガンって、体には良さそうだけど、ちょっと偏ってそうで心配…栄養、大丈夫なのかしら?

そう思うのももっともです。
でも“おおむねヴィーガン”という柔軟なスタイルなら、栄養面の心配も減りますよ。
はじめに:なんとなくの不調、年齢のせいにしていませんか?

50代・60代になると、「疲れが抜けにくい」「胃もたれしやすい」「なんとなく体が重い」など、はっきりとした病気ではないけれど、気になる体調の変化が増えてきます。
こうした“なんとなくの不調”、実は栄養バランスの偏りや加齢による吸収力の低下が関係していることも。
特に、若い頃と同じように食べていても、体がきちんと栄養を取り込めていないことがあります。
この記事では、アラカン世代(50代・60代)の方向けに、
ヴィーガン(植物性中心)でもしっかり栄養を満たす方法をご紹介します。
「ヴィーガン=栄養が足りない」と思っている方にも、
「実は今の体に合っているかも」と思ってもらえるヒントをお届けします。
- 50代・60代になると栄養バランスが崩れやすく、体調不良の原因になりうること
- ヴィーガン食でも、工夫次第で必要な栄養素(タンパク質・鉄・カルシウムなど)を十分に補えること
- 植物性食材の組み合わせや調理法によって、吸収率や栄養価を高められること
- 無理なく始められる「ゆるヴィーガン」の実践例と、継続しやすい食事の組み立て方
年齢とともに変わる「体の栄養バランス」

50代を過ぎると、代謝の低下、筋力の減少、骨密度の変化、ホルモンバランスの変化など、体の内側でも目に見えない変化が進んでいきます。
特に以下の栄養素は、アラカン世代にとって重要ですが、不足しやすくなります。
栄養素 | なぜ必要? | 不足すると… |
---|---|---|
タンパク質 | 筋肉・内臓・免疫の材料 | 筋力低下、風邪をひきやすい |
鉄分 | エネルギーを運ぶ | 倦怠感、息切れ、集中力の低下 |
カルシウム | 骨の維持、神経伝達 | 骨密度低下、骨折リスク上昇 |
ビタミンB12 | 神経・血液の働き | しびれ、記憶力の低下 |
ビタミンD | 骨と免疫の調整役 | 骨軟化、感染症リスク上昇 |
オメガ3脂肪酸 | 脳・血流・肌を整える | 思考力の低下、乾燥肌 |
このように、「年齢に合わせた栄養補給」がとても大切になります。
ヴィーガン=栄養が足りない?実はそんなことはない

「ヴィーガンは栄養が偏るのでは?」という不安はよく聞かれますが、実際はそうとも限りません。
確かに動物性食品を抜くことで注意すべき栄養素はありますが、それらは植物性の食材でも十分に補えるものです。
たとえば、タンパク質は豆類や大豆製品、鉄分は小松菜やレンズ豆、カルシウムは豆腐や植物性ミルクから摂取可能です。
また、ビタミンB12のように食材で補いにくいものは、サプリメントや強化食品を活用するという方法もあります。
さらに、植物性食品には以下のような魅力もあります:
・消化にやさしく、胃腸への負担が少ない
・食物繊維・ビタミン・ミネラルが自然に摂れる
・余分な脂肪やコレステロールを含まない
つまり、「何を食べないか」ではなく「何をどう食べるか」が大切。
ヴィーガン食は、正しく選べば栄養が足りないどころか、年齢とともに変化する体にやさしい食べ方としても注目されています。
アラカン世代に必要な6大栄養素と、その植物性食品からの摂り方

では具体的に、どうやって植物性で必要な栄養を補えばよいのでしょうか?
ここでは、特にアラカン世代に意識してほしい6つの栄養素とおすすめ食材を紹介します。
役割: 筋肉・免疫・肌や髪の材料に
おすすめ食材: 豆腐、納豆、レンズ豆、テンペ、オートミール、ソイミート、ブロッコリー
役割: 酸素を運ぶ、疲れにくい体に
おすすめ食材: ひじき、小松菜、プルーン、レンズ豆
→ ビタミンC(柑橘類やブロッコリー)と一緒に摂ると吸収率UP!
役割: 骨と歯の健康に
おすすめ食材: 小松菜、豆腐、植物性ミルク(アーモンドミルクなど)、ゴマ
役割: 血液・神経の働きに不可欠
補給方法: 海苔、栄養酵母入り食品、サプリメント
役割: 骨の形成と免疫機能に
おすすめ: 日光浴、干ししいたけ、D入り植物性ミルク、必要に応じてサプリも
役割: 血流、脳、肌の健康に
おすすめ食材: 亜麻仁油、チアシード、くるみ
「組み合わせ」と「調理法」がカギ

植物性でも栄養をしっかり摂るには、「組み合わせ」と「調理法」がとても大切です。
鉄分+ビタミンC → 鉄の吸収UP(例:小松菜×レモン汁)
脂溶性ビタミン+油 → ビタミンDなどの吸収UP(例:きのこ×オリーブオイル炒め)
穀物+豆類 → 必須アミノ酸のバランスが整う(例:玄米+豆カレー)
特別な料理でなくても、日々の食事の中でちょっとした工夫をするだけで、栄養の摂り方が大きく変わります。
ゆるく始める「1日ヴィーガン栄養メニュー」
いきなり完璧なヴィーガン生活を目指す必要はありません。
まずは1日1食からでもOK。以下は、アラカン世代向けのバランスのよい1日の例です。

朝
オートミール+豆乳ヨーグルト+ナッツ+バナナ
(+ビタミンB12サプリ)

昼
レンズ豆のスープ+玄米+温野菜サラダ(オリーブオイル)+キムチ

夜
豆腐ステーキ+炒めきのこ+味噌汁(わかめ・小松菜)+雑穀ごはん
(+亜麻仁油をスプーン1杯)
無理せず、取り入れられるところから始めることが、続けるコツです。
まとめ:体を整える栄養を、自分で選べる今がチャンス

年齢とともに変わる体には、変化に合った“食べ方”が必要です。
ヴィーガン=制限ではなく、「必要な栄養を植物性で満たす知恵」ととらえれば、
体にやさしく、実感のある食生活を手に入れられるはずです。
ヴィーガンと聞くと、「すべてを植物性にしなきゃ」と構えてしまう人も多いかもしれません。
でも実際は、“できるところから少しずつ”取り入れるだけでも、体に変化を感じられる人が多いのです。
まずは1日1食だけ置き換える「プチ・ヴィーガン」や、週に数日の「おおむねヴィーガン」からでもOK。
完璧を目指すのではなく、自分の体と相談しながら心地よく続けることが大切です。
小さな選択の積み重ねが、やがて大きな変化につながります。
“今からでも遅くない”。
このタイミングで、自分に合った食べ方を見つけてみませんか?