【体調不良 食事】アラカン世代の不調をやさしく整えるヴィーガンの知恵

ヴィーガン淑女
ヴィーガン淑女

アラカン紳士さん、このところお顔のツヤがよろしいですわね。

まさか、また何か新しい“美食の秘薬”でも召し上がってるのかしら?

アラカン紳士
アラカン紳士

おっと、お見通しですなマダム。

実は最近、“おおむね野菜と豆”で暮らしておりまして。

これが実に、胃にも心にも軽やかなのです。

ヴィーガン淑女
ヴィーガン淑女

まぁまぁ、野菜と豆でそんなにお元気に?

私は最近、胃は重いわ、朝はだるいわで、まるで鉄のドレスをまとっている気分ですのに…

アラカン紳士
アラカン紳士

それならば、マダム。
さっそく私の“やさしい食卓の冒険”にご案内いたしましょう。
お年頃の不調も、案外お皿の上から変わるものですよ。

目次

  1. はじめに|「なんとなく不調」を食事から整えるアラカン世代の選択肢
  2. 中高年に多い体の不調とその背景|見直すべき食習慣とは?
  3. 動物性食品のリスクとは?|WHOと厚労省が示す最新情報
  4. ヴィーガン生活がアラカン世代にもたらす5つの体の変化
  5. 更年期が気をつけたいヴィーガンの栄養ポイント
  6. 無理なく続けるための工夫|中高年でも続けられるヴィーガン習慣
  7. FAQ|アラカン世代のヴィーガン生活、よくある疑問にお答えします
  8. おわりに|「やさしい選択」が体の調子を整える

はじめに|「なんとなく不調」を食事から整えるアラカン世代の選択肢

40代後半から60代にかけて、体に少しずつ変化を感じる方が増えてきます。
 朝起きても疲れが抜けない
 食べたあとに胃が重たい
 なんとなく気分が落ちる
それらは「年齢のせいだから」と片づけられがちですが、
実は日々の食事がその不調を和らげるカギになることも多いのです。

この記事では、体調不良に悩むアラカン世代のために、
「おおむねヴィーガン」というやさしい食生活を通して
中高年にありがちな不調の背景と、その対策としての食の見直し方をご紹介します。

筆者自身、がんを経験したのをきっかけに、食生活を抜本的に見直しました。
現在は薬に頼らず、すべての検査値が正常。ハワイのロードレースに挑戦するほど元気です。

とはいえ、この記事でお伝えするのはストイックな完全ヴィーガンではありません。
体調を整えながら、気軽に・無理なく続けられる「おおむねヴィーガン」の知恵です。

この記事で分かること
  • アラカン世代に多い体調不良とその原因
  • WHOや厚労省も警告する動物性食品のリスク
  • ヴィーガン生活で実感できる体の変化
  • 栄養バランスの整え方と続ける工夫
  • 不安や疑問を解消する実践のヒント

中高年に多い体の不調とその背景|見直すべき食習慣とは?

年齢を重ねると「今まで通りに過ごしているのに、なぜか調子が悪い」と感じることが増えてきます。

  • 朝起きても疲れが抜けない
  • お腹まわりが気になってきた
  • 肌がくすんで化粧ノリが悪い
  • 便秘がちでスッキリしない
  • 健康診断で血圧やコレステロールを指摘された

こうした不調は、加齢だけでなく、食習慣の乱れが深く関わっていることが、近年の研究でも明らかになってきています。

代謝の低下と体重増加

40代以降は基礎代謝量が徐々に減少し、同じ食事量でも太りやすくなります。
さらに、筋肉量の減少や運動不足が重なると、エネルギー消費が追いつかなくなり、
脂肪が内臓や腹部に蓄積しやすくなります。

厚生労働省「健康日本21(第二次)」でも、
肥満・内臓脂肪の蓄積が生活習慣病の主要リスクになると警告されています。

胃腸の不調と便秘

加齢とともに胃腸の動きが鈍くなり、便秘や消化不良が起きやすくなります。
さらに、動物性食品や脂っこい食事が多いと、腸内の悪玉菌が増え、
腸内フローラのバランスが乱れやすくなります。

農林水産省は「健康な腸内環境のためには、植物性食品や食物繊維を意識した食事が必要」と明記しています。

血圧・コレステロールの上昇

赤身肉や加工肉の過剰摂取は、血圧や血中コレステロール値の上昇につながります。
日本動脈硬化学会のガイドラインでは、
飽和脂肪酸を多く含む肉類を減らし、魚や植物性食品への置き換えを推奨しています。

また、高血圧・脂質異常症は、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを高める重大因子とされています。

肌の乾燥やくすみの原因

食生活が乱れ、ビタミン・ミネラル・抗酸化物質が不足すると、
肌のターンオーバーが遅れたり、乾燥・くすみといった老化のサインが現れやすくなります。

特に糖質や脂質に偏った食事では、「糖化」や「炎症」が肌に悪影響を及ぼすことが指摘されています。
農研機構なども「加齢に伴う皮膚機能の低下には、食習慣が深く関与する」と報告しています。

食事の“ちょっとした偏り”が引き起こす不調

「特別ジャンクなものは食べていない」
「量も控えめにしている」
そんな人でも、実は栄養バランスの偏りが原因で体調を崩していることが少なくありません。

  • 野菜より肉中心
  • 食物繊維が不足
  • 調理の手間から市販惣菜が多い
  • 朝食を抜きがち

これらの積み重ねが、体調不良・生活習慣病・不定愁訴(原因がはっきりしない不調)の引き金になります。
小さな不調のサインは、体からの「そろそろ変えてみては?」というメッセージかもしれません。

次の章では、こうした不調に対して「何を減らし、何を取り入れたらよいか」、
そのヒントになる情報を、公的機関の知見をもとに解説していきます。

動物性食品のリスクとは?|WHOと厚労省が示す最新情報

中高年にとって体の不調の原因となりうる「食習慣の偏り」。
その中でも、とくに注意したいのが動物性食品のとりすぎです。
過剰摂取によるリスクについては、世界保健機関(WHO)や厚労省も公式に警鐘を鳴らしています。

加工肉と赤身肉の発がんリスク

2015年、WHOの外部機関である国際がん研究機関(IARC)は、
加工肉を「グループ1(人に対して発がん性あり)」、赤身肉を「グループ2A(おそらく発がん性あり)」と分類しました。

「グループ1」には、タバコやアスベストなどと同じ分類が含まれます。
つまり、ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉は、毎日食べ続けることで大腸がんのリスクが高まる可能性があるとされています。

これは一部の研究だけでなく、数百を超える疫学データをもとにした結論です。

IARCの分類とその意味

IARCでは、食品や化学物質を「発がん性のリスク」に応じて以下のように分類しています

IARCの分類
  • グループ1:ヒトに対して発がん性あり(加工肉、タバコ、アルコールなど)
  • グループ2A:おそらくヒトに対して発がん性あり(赤身肉、非常に熱い飲み物など)
  • グループ2B:ヒトに対して発がん性の可能性あり(アスパルテーム、漬物など)
  • グループ3:分類できない(コーヒーなど)

分類されるだけで即危険とは限りませんが、中高年で体調に変化を感じ始めた方にとっては「知っておくべき情報」です。

日本の公式見解と食生活への影響

農林水産省や国立がん研究センターも、WHOの報告を受けて以下のように発信しています

加工肉の過剰摂取は避けるべき
バランスの取れた食事ががん予防にも効果的
植物性食品・食物繊維を多く取り入れることが推奨される

日本人の食生活は、年々「欧米型」に近づいており、動物性脂肪の摂取量も上昇傾向です。
そのため、日頃の食事から意識的に動物性食品の割合を減らすことは、
病気の予防と体調の安定に役立つ選択となります。

📝 コラム

ちょっとひと息:ベーコンは本当に悪者?

発がん性の報道で注目された「ベーコン」や「ハム」。
でも、「絶対に食べてはいけない」わけではありません。

重要なのは「頻度と量」です。

例えば、週に1回・2枚程度であれば、影響はごくわずか。
毎日のように朝食で摂取している場合は、ちょっと見直しが必要かもしれません。
無理に「やめる」よりも、少しずつ植物性食品に置き換えることが、続けやすい第一歩になります。

ヴィーガン生活がアラカン世代にもたらす5つの体の変化

 食事を少し変えただけで、こんなに調子が良くなるなんて。
そんな声が、実際に多くのアラカン世代から聞こえてきます。

ヴィーガンをゆるく取り入れることで、どんな体感の変化があるのか。
実例をもとに、5つのうれしい変化をご紹介します。

睡眠の質が上がる理由

「夜中に何度も目が覚めていたのに、最近はぐっすり眠れるようになった」
これは筆者自身も感じた、ヴィーガン生活の大きな恩恵です。

動物性脂肪の多い食事は、消化に時間がかかり、睡眠の質を下げる原因になることがあります。
植物性中心の食事にすることで、胃腸への負担が減り、眠りが深くなったと感じる人は多いです。
特に、夜は温かい野菜スープや雑穀ごはん中心に切り替えるだけでも、翌朝の目覚めが違います。

腸内環境の改善と便通の変化

ヴィーガン食には、食物繊維が豊富な野菜・豆類・全粒穀物がたっぷり含まれます。
これらの食材は、腸内の善玉菌のエサになり、腸内フローラを良好に保つ効果があります。
さらに、水溶性食物繊維は便をやわらかくし、不溶性食物繊維は腸のぜん動運動を促進。
「出す力」が整うと、体も気分も軽くなるものです。
便秘に悩んでいた方にとっては、日々の快適さがまるで変わってきます。

体重とウエストの自然な変化

厳しい食事制限をせずとも、自然とカロリーや脂質の摂取量が抑えられるのがヴィーガンの魅力。
食物繊維は腹持ちもよく、過食を防ぐ効果も。

結果として、ウエストや体重がゆるやかに落ちていく人も多く見られます。
厚生労働省の「健康づくりのための食生活指針」でも、植物性食品の積極的な活用が生活習慣病予防に効果的と示されています。
「久しぶりに履けたズボンがあった」「お腹まわりが軽くなった」
そんな声が、実際の変化を物語ります。

肌の明るさとハリを感じる理由

カラフルな野菜や果物には、ビタミンCβカロテンなど、抗酸化作用のある栄養素が豊富。
これらは肌細胞の酸化を防ぎ、ハリ・透明感・ツヤを保つ働きがあります。
また、糖質や脂質に偏った食生活を見直すことで、「糖化(肌のくすみや硬化の原因)」のリスクも減少します。

「最近、肌の調子がいいと言われるようになった」
そんな変化を実感できるのも、日々の積み重ねのおかげです。

疲れにくい体になる仕組み

加工食品や揚げ物など、体に慢性的な炎症を起こす食材を減らすことで、
全身のだるさや倦怠感が軽くなる人も少なくありません。

ヴィーガン食に多く含まれるマグネシウム葉酸ビタミンB群は、
エネルギー代謝を助け、ストレス耐性を高める栄養素でもあります。
「なんだか最近、動くのが億劫じゃなくなった」
そんな体感は、小さな食の選択の積み重ねから生まれています。

更年期が気をつけたいヴィーガンの栄養ポイント

40代後半〜50代は、女性にとってホルモンバランスの大きな変化が起こる時期。
いわゆる「更年期」と呼ばれるこの時期には、
食事の見直しが心と体の安定に深く関わってきます。

ヴィーガン生活は体にやさしい選択肢ですが、
必要な栄養素が不足しやすい傾向があるのも事実です。
ここでは、更年期世代がヴィーガンを取り入れるうえで、
とくに気をつけたい栄養ポイントを5つにまとめてご紹介します。

タンパク質の質と量を意識する

筋力の低下、免疫力の衰え、髪や肌のハリの減少、
これらはすべて、たんぱく質不足と関係しています。

動物性食品を控える分、豆腐・納豆・テンペ・レンズ豆・オートミールなど
植物性たんぱく質を意識して摂る工夫が欠かせません。
ポイントは「量だけでなく、種類も分けて摂る」こと。
さまざまな豆類や雑穀を組み合わせることで、必須アミノ酸のバランスが整います。

カルシウム・ビタミンDの補給

閉経後は、骨密度の低下が進みやすくなります。
そのため、カルシウムとビタミンDの確保がとても大切。

カルシウムは:小松菜、切り干し大根、ひじき、白ごま
ビタミンDは:きのこ類(干ししいたけなど)、強化食品(植物性ミルク等)
また、日光浴でのビタミンD生成も骨の健康維持に役立ちます。
散歩やガーデニングなど、外に出る習慣も大切な栄養対策です。

ビタミンB12・鉄・オメガ3脂肪酸の注意点

これらはヴィーガンで不足しやすい代表的な栄養素です。
ビタミンB12:体内で合成できないため、サプリメント強化食品での補給が基本
鉄分:吸収率の高い「非ヘム鉄」を補うため、ビタミンCを一緒に摂取する工夫が効果的
オメガ3脂肪酸チアシード、亜麻仁油、えごま油などを適量取り入れると◎

【ビタミンB12強化食】

食品名補足
強化植物性ミルク(豆乳・アーモンドミルクなど)パッケージに「B12添加」って書いてあるものを選ぼう
強化シリアル(グラノーラ・オートミール)朝食にぴったり!
栄養酵母(ニュートリショナルイースト)チーズ風味で美味しくて人気
一部のヴィーガンバーやプロテインB12配合って書いてあるかチェック

不足が続くと、貧血・疲労感・集中力の低下につながるため、意識してカバーしたいポイントです。

大豆イソフラボンと更年期症状の緩和

更年期症状(ホットフラッシュ、イライラ、不眠など)の一因は、女性ホルモンの急激な減少です。
大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンに似た働きを持つ植物性化合物
多くの研究で、更年期症状の軽減に役立つ可能性が示唆されています。

豆腐・納豆・豆乳などを日常的に取り入れることで、
体と心の安定をサポートするやさしい味方になります。

抗酸化・食物繊維を意識した食材選び

加齢に伴う体の酸化ストレス(サビ)や代謝の低下は、肌や内臓、血管にも影響を及ぼします。

色とりどりの野菜や果物には、ビタミンA・C・E、ポリフェノールなど
抗酸化作用の高い栄養素が豊富に含まれています。
また、食物繊維は腸内環境を整え、余分な脂質や老廃物の排出を助けてくれる存在。
「色・香り・歯ごたえ」のある食材を、毎日の食卓に取り入れることが、中高年の体を内側から整える秘訣です。

栄養素おすすめ食材補足ポイント
タンパク質豆腐・納豆・テンペ種類を分けて摂ると◎
カルシウム小松菜・ごま・ひじきビタミンDと一緒に
ビタミンB12強化食品・サプリ毎日少量でもしっかり
鉄分レンズ豆・ほうれん草ビタミンCと一緒に吸収UP
オメガ3脂肪酸えごま油・チアシード酸化しやすいので早めに使う

無理なく続けるための工夫|中高年でも続けられるヴィーガン習慣

ヴィーガンに興味はあっても、「続けられるか不安…」と感じる方は多いはず。
特に中高年になると、家族との食事や長年の習慣がある分、いきなり全部変えるのはハードルが高いですよね。
ここでは、実践者の体験や専門家の提言をもとに、
中高年でもムリなく、心地よく続けられるコツをご紹介します。

「完璧」より「できる範囲」で

ヴィーガンを始めるとき、多くの人が「100%守らなければ」と思いがち。
でも、“おおむねヴィーガン”という考え方があることを知ってください。

平日は植物性中心、週末は家族に合わせて柔軟に。
肉や魚を月に数回楽しむ「フレキシタリアン」的な取り組みもOKです。

完璧を目指すよりも、続けられる工夫こそが最大の近道です。

食事のバリエーションと楽しさを意識

 「また豆腐?
 「野菜だけじゃ飽きる
ヴィーガンを始めたばかりの時に感じることです。

大切なのは、“楽しめる味”に出会うこと。
発酵食品やスパイス、雑穀やナッツなどを上手に使えば、味に深みと満足感が生まれます。
また、レシピを何種類かローテーションしておくと「考えるストレス」も減り、習慣化しやすくなります。

外食や旅行の工夫と準備

外食では、完全ヴィーガンの対応が難しい場面もあります。
でも、以下のような工夫で範囲の選択が広がります。

和食の定食屋で、揚げ物を豆腐や野菜メニューに変更
カフェでサラダ+パン+豆乳ラテの組み合わせ
旅行先では事前にヴィーガン対応のお店を検索
時には少しだけ肉類を食べる

外食=中断ではなく、工夫次第で「調整できる場」として楽しむ姿勢が大切です。

家族や友人とシェアする習慣

家族と同じ食卓を囲むことが多い中高年にとって、
「自分だけ別メニュー」は孤立感を生みます。

そんなときは、
この豆腐のスープ、おいしいから少し食べてみない?
と、無理なくシェアする形で少しずつ広げていくのがおすすめです。

一緒に味わえば、共感も生まれ、孤立感は薄れていきます。

不足しやすい栄養素は補う前提で考える

ヴィーガン=自然がすべて」という思い込みから、
サプリや強化食品を避ける方もいますが、それは少しもったいない選択です。
ビタミンB12・鉄・カルシウム・オメガ3脂肪酸などは、補うことを前提に安心して食生活を整えるのが◎。

おおむねヴィーガンスタイル』であれば、時々食べる動物性食品で、不足しやすい栄養素を補うことができます。

必要なものを「補って」続ける道を選ぶことが、本当の意味でのやさしい選択です。

📝 コラム

ちょっとひと息:コンビニで“ちょっとヴィーガン”

外食や忙しい日が続くとき、私はよくコンビニを活用しています。

選ぶのは、野菜スティック、ナッツ、豆乳、おにぎり
たったそれだけなのに「今日も整ったな」と思えるんです。

「ヴィーガン=自炊しなきゃ」なんて思っていた昔の自分に、
いいんだよ、こういう日があっても」と声をかけたくなります。

完璧じゃなくていい。「ちょっと整える」の積み重ねが、
体と心に“やさしい安心感”を育ててくれます。

FAQ|アラカン世代のヴィーガン生活、よくある疑問にお答えします

本文を読んで「やってみようかな」と思った方の中にも、
きっとちょっとした疑問や不安が残っているのではないでしょうか。
ここでは、ヴィーガン生活に関心を持つ中高年の方からよく寄せられる質問を5つ取り上げ、
本文では伝えきれなかった補足情報とともにお答えしていきます。

ヴィーガンになると冷えやすくなるって本当?
完全なヴィーガン食で体を冷やしやすい食材に偏ると、冷えを感じることがあります。
特に生野菜や果物、冷たい飲み物が中心になると、
胃腸の働きが鈍って体温が下がることも。
対策としては、温野菜・根菜・味噌汁・スパイスなど体を温める食材を意識的に取り入れること。
冷え性が気になる方は「温かさ」も一緒に食べましょう。
ヴィーガン=健康って思っていいんですか?
一言で言えば、「食べ方次第」です。
たとえばポテトチップスや白砂糖たっぷりの焼き菓子も、動物性原料が使われていなければヴィーガンに分類されます。
つまり、「ヴィーガン=自動的に健康」ではなく、“どう選び、どう組み合わせるか”が肝心。
野菜・豆・穀物・発酵食品など、素材の力を活かした食事を意識することで、
ヴィーガンは健康的な選択肢になり得ます。
サプリって絶対に必要ですか?
ヴィーガン食では不足しやすい栄養素がいくつかあります。
特にビタミンB12は植物性食品にほとんど含まれないため、基本的にはサプリでの補給が推奨されます。
また、鉄・カルシウム・オメガ3脂肪酸なども、必要に応じて補助的に取り入れると安心です。
大切なのは、「不足しないように補う」という柔軟な姿勢。
サプリは“無理なく続けるためのパートナー”として考えるといいでしょう。
また、『おおむねヴィーガンスタイル』で、時々動物性食品を取り入れて、栄養のバランスととっても構いません。
旅行や冠婚葬祭など特別な日の食事はどうすれば?
「完璧に続けなければ」と思うと、かえってストレスになります。
多くの実践者は、特別な日には自分の基準に合わせて柔軟に対応しています。
たとえば:
肉は避けて魚を選ぶ
主食と野菜を多めにしてバランスを取る
時には肉も食べてみる
「こうしなければ」ではなく、「今日はこれくらいで十分」と自分で調整して良いんです。
年齢的にもう食事を変えるのは遅いですか?
まったく遅くありません。
実際、腸内環境やエネルギー代謝は、数日〜数週間でも変化を感じられることが多いです。
特に中高年は、体が素直に変化を受け止めてくれる時期でもあります。
「もう遅い」ではなく、「今がちょうどいい」。
1日1食からでも始めてみれば、きっと体が答えてくれるはずです。

おわりに|「やさしい選択」が体の調子を整える

中高年になると、体は少しずつ変化していきます。
それは自然なこと。
でも、「年齢だから仕方ない」で終わらせるのは、もったいない。

疲れやすさ、胃腸の不調、肌のくすみ——
これらは、日々の食事を少し変えるだけで、やさしく整っていくことがあります。

筆者自身、がんを経験し、食生活を見直したことで、
薬に頼らず、すべての検査値が正常になりました。

そして今では、ハワイのロードレースに向けてトレーニングを楽しむほど、元気です。
この7年間で感じたのは、「体は変われる」という確かな実感でした。

ヴィーガンというと、「制限」や「難しそう」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
でも本当に大切なのは、自分の体にやさしい選択を、無理のない範囲で重ねていくこと。

今日すべてを変えなくてもいい。
まずは、1品だけ植物性のものに置き換えてみるところから。
体も心も、やさしく整っていく過程を、ぜひ味わってみてください。

食事を変えることは、自分を大切にするということ。
年齢を重ねても、未来は変えられます
あなたの“これから”が、もっと健やかで、もっと心地よいものになりますように。