
アラカン紳士さん…
ヴィーガンになる理由って、何かしら?
最近よく耳にするけれど、正直ちょっと難しそうで…。
お肉もチーズも好きですし…
私は無理かもって思ってしまいますわ。

おやおや、マダム。
それは以前のわたしと同じですな。
実を申しますと、50歳の頃に“がん”を患いましてね。
そこから人生観が変わったのです。
“残りの人生を、もっと大切に生きたい”と。

まぁ…それはご苦労なさったのですね。
でも、そんな経験から“ヴィーガン”を選ばれるとは…
少し意外ですわ。

ええ、わたし自身も驚きました。
ただ、完全なヴィーガンではございません。
“おおむねヴィーガン”で十分なのです。
身体にも心にも、そして未来にも、やさしい選択。
今ではそう感じておりますよ。
はじめに|ヴィーガンになる理由は何ですか?

「ヴィーガンになってみたいけど、自分には無理かも」
そんなふうに感じたことはありませんか?
私も、かつてはそう思っていました。
ところが50歳のとき、がんを経験したことで、人生の価値観が大きく変わったのです。
もう2度とガンになりたくない
残りの人生を最高の体調で過ごしたい
そんな思いから、私はヴィーガンという生き方に出会いました。
とはいえ、肉も魚も大好きだった私が、いきなり完璧なヴィーガンになれるはずもありません。
だからこそ、無理なく続けられる「おおむねヴィーガン」というスタイルを選んだのです。
この記事では、私がヴィーガンを志すようになった理由と、60歳手前の今だからこそ実感している“やさしい変化”を、体験を通してお伝えします。
「ヴィーガンの敷居が高い」と感じているあなたにこそ、読んでほしい内容です。
- アラカン世代がヴィーガンに興味を持つようになった背景
- 「完全ヴィーガン」ではなく「おおむねヴィーガン」という柔軟な選択がなぜ支持されているのか
- がんや生活習慣病など、実体験からくるヴィーガンへのシフトの流れ
- 家族・社会との関係性の中で無理なく続けられる食のあり方
- アラカン世代にとっての“やさしさ”と“自分らしさ”を両立するライフスタイルのヒント
がんをきっかけに、人生を見直した50歳の私

50代に差しかかり、これからの人生をどう生きていくかを考える人は少なくありません。
私自身も、ある出来事を通して、それまでの生活を大きく見直すことになりました。
私にとって「転機」となったのが、がんの告知でした。

50歳という節目を迎えた頃、私は突然「がん」と向き合うことになりました。
定期検診の結果が思わしくなく、再検査した専門病院で院長先生に言われた一言。
がんです
私は、どこか人ごとのように「あ、ドラマのようなセリフでいうんだ」と思っていました。
その後、しばらくして押し寄せたのが、
まさか自分が
という思いです。
病気は怖かった。
自分がいない世界を想像し、残された家族に申し訳ないという思いでいっぱいでした。
それまでの私は、自分が『死ぬ』ということを、遠い人ごとのように感じていたのです。

幸い、初期の発見であり、がんの種類も厄介なものではなかったことから、1回の手術で寛解することができました。
この経験は、私に「この先どう生きていくか」を真剣に考えるきっかけにもなりました。
なぜなら、「健康」は当たり前ではないことに気づいたからです。
人生は有限であり、いつ終わってもおかしくないということを思い知らされました。
これまで無理をしてきた働き方
食べ方、生き方
すべてを見直したくなりました。
はじめの一歩
あなたにとっての“理由”は、どんなことでしょうか?
まずは自分の心に問いかけてみることから、始めてみませんか?

人生は突然終わることがある。
たとえ寿命が短くなったとしても、私は「後悔のない人生を送りたい」と強く思いました。
そのために選んだのが、「身体と心にやさしい暮らし」でした。
そして、その先にあったのが“ヴィーガン”という生き方だったのです。
今思えば、がんは「人生を立ち止まるチャンス」だったのかもしれません。
怖かったけれど、気づかせてもらったこともたくさんありました。
ヴィーガン生活は、その気づきから始まった私なりの一歩。
無理なく、でも確かに、自分の生き方を変えてくれた選択肢です。
ヴィーガンになる理由|私にとって4つの大切なこと

「ヴィーガンになった理由は?」と聞かれて、私は一言で答えることができません。
もちろん、がんになったことは大きな理由の一つです。
でもそれだけではありません。
いくつものきっかけが重なって、少しずつ今の形になったからです。
ここでは、私が「おおむねヴィーガン」という暮らしを選んだ、4つの理由をご紹介します。

がんを経験してからというもの、体の声に敏感になりました。
体調の変化、小さな不調、食後の感覚…。
どれも「もっと自分を大切にしよう」というサインに思えたのです。
肉や乳製品を控えることで、体が軽く感じるようになりました。
腸の調子も整い、朝の目覚めもスッキリ。
食事を見直すことで、「体が整うってこういうことか」と実感できたのです。
元気な身体があってこそ、人生はもっと楽しめる。
その気づきが、ヴィーガンの実践につながりました。

子どもの頃から動物が好きでした。
ペットと暮らし、動物番組を好んで観ていた私にとって、
「動物の命をいただく」という行為に、年齢を重ねるにつれ違和感が出てきました。
「本当に、これが必要なんだろうか」
そんな疑問が、心のどこかで大きくなっていったのです。
ヴィーガンの考え方を知ったとき、それはただの食事制限ではなく「命へのまなざし」だと感じました。
肉食を止めた今、自分の中のもやもやした気持ちが無くなってスッキリとしています。

ヴィーガンのきっかけを探るうちに、畜産と環境の関係を知るようになりました。
畜産業が排出する温室効果ガス、莫大な水資源の消費、森林破壊…。
自分の食事が、地球にこんなに影響を与えているとは、正直驚きでした。
私たちアラカン世代には、次の世代にバトンを渡す責任があります。
「食」の選択を変えることも、その一歩だと思っています。

畜産には、大量の飼料作物が必要です。
その土地で人間の食べ物を作れば、もっと多くの人を救えるかもしれない。
そう知ったとき、胸がつまるような思いがしました。
肉を食べるということは、ある意味“見えない資源”を奪っている側面もある。
いっぽう、今の生活を完全に捨てることもできません。
でも、自分にできる範囲で、少しでも「やさしい選択」をしたいと、心から思いました。
肉が好きだった私が「おおむねヴィーガン」になれた理由

「肉が好きでも、ヴィーガンってできるの?」
そう思う方もいるかもしれません。
実は私も、かつては“お肉大好き人間”でした。
ステーキ、唐揚げ、焼肉…どれも毎日でも食べたいと思うほどです。
そんな私が、なぜ今「おおむねヴィーガン」という暮らしをしているのか。
その背景には、体と心の変化がありました。

50代に入ってから、体に少しずつ変化が現れました。
まず、お肉を食べたあとに胃もたれを感じるようになったのです。
若い頃には平気だったこってり料理が、重たく感じるようになりました。
不思議なことに、以前よりも野菜や豆類が「おいしい」と感じるようになったのです。
食後のスッキリ感も違うし、翌朝の目覚めも軽い。
「これって、体が求めているサインかも」と感じました。
人は年齢によって体が求めるものが、変わってくるのかもしれません。

体だけでなく、心にも変化がありました。
私はこれまで人生の大半、肉を食べて生きてきました。
体の変化を感じた私の中に、
もうこの人生では、肉を十分に食べたな
という思いがありました。
でも、無理にやめようと思ったわけではありません。
あくまで「心地よさ」を基準に、自然と量が減っていったのです。
今では、「肉を食べたい」という気持ちが、以前ほど強くありません。
人は意外と変化に慣れていくものなのです。
それでも好きな気持ちは残っているので、時には外食で楽しむ日もあります。
なぜアラカンは、肉を食べると翌日きついのか
50代を過ぎたあたりから、「焼肉の翌日がしんどい…」「夜に唐揚げを食べると朝が重い…」そんな経験、ありませんか?
実はこれ、年齢による【消化力の低下】や【腸内環境の変化】が関係しています。
歳を重ねると、胃や腸の働きが少しずつゆるやかになります。
とくに動物性脂肪やたんぱく質の分解には、若い頃よりも時間がかかるようになるのです。
その結果――
・寝つきが悪い
・翌朝の胃もたれ
・体が重く感じる
・お通じの変化
など、まさに「食べたものの“ツケ”が翌日にくる」状態になってしまいます。
はじめの一歩
食の変化は、無理に起こさなくても大丈夫。
体と心の声に耳をすませてみるだけで、少しずつ変わっていくかもしれません。
完全じゃなくていい|おおむねヴィーガンのすすめ

ヴィーガンと聞くと、「動物性を完全に避ける、厳格な生活」というイメージを持たれる方も多いと思います。
人によっては、宗教臭さを感じて敬遠する人もいると思います。
『ヴィーガン=排他的』というイメージもあります。
私も最初は「全部やめなきゃいけないの?」と身構えてしまいました。
でも、完璧じゃなくてもいいんです。
私は今、「おおむねヴィーガン」という、ゆるやかで心地よいスタイルを続けています。

ヴィーガンを始めた頃は、「肉を食べてしまった」「乳製品を使ってしまった」と落ち込むこともありました。
でも、あるとき気づいたんです。「70点でもいい」と。
完璧を目指すと、続けるのが苦しくなります。
だから私は「無理しない」「楽しく続ける」をモットーにしています。
『自分の心が気持ち良くなること』を優先して良いんです。
外食では柔軟に、家ではできるだけ植物性を選ぶ。
それくらいのバランスで、十分だと感じています。
ヴィーガンに正解はありません。
自分のペースで、できるところから始めてみることが大切だと思います。

友人と外食をするとき、すべてを制限するのはなかなか難しいものです。
楽しい時間を共有することも、私にとっては「心の健康」に欠かせない大切な要素です。
だから私は、外食では“ヴィーガンであろうとしすぎない”ことにしています。
それでも、できる限りやさしい選択を意識して、無理なく、気持ちよく過ごす。
そうした積み重ねが、結果的に「続けられるヴィーガン」になっていくのだと思います。
人生もヴィーガンも、おおむね合格を目指せば十分です。
はじめの一歩
ヴィーガンに完璧さは必要ありません。
あなたにとって心地よいペースで、小さな実践を始めてみませんか?
アラカン世代こそヴィーガンを選ぶべき3つの理由

ヴィーガンと聞くと、「若い人のライフスタイル」と思われがちかもしれません。
でも実は、アラカン世代こそ、ヴィーガンに向いているのです。
味の濃い料理を食べると後を引くようになり、食べたものがそのまま体調に出やすいこの世代がヴィーガンを始めるのにちょうど良いのです。
ここでは、私が感じている“アラカン×ヴィーガン”の相性の良さについてお話します。

若い頃には気づかなかった野菜の美味しさ。
それが、50代を過ぎてから急に分かるようになりました。
野菜のやさしい甘みや、出汁の深み、漬物の美味しさ。
脂っこい料理より、シンプルな味のほうが「体に染みる」と感じることが増えたのです。
味覚は年齢とともに変化します。
だからこそ、今こそ“野菜を主役にした食事”が、体にしっくりと来るのです。

50代に入ると、健康診断の数値や体調の変化に敏感になります。
それは決して悪いことではなく、「体からのメッセージ」だと思っています。
肉体は換えの効かない自動車のようなものです。
メンテナンスをしっかりとすれば、長く快適に乗り続けることができます。
体が喜ぶ物を食べる。
人生を最高の体調で楽しみ続ける。
そんな選択が、アラカンの今ならできます。
元気なうちに、整えておく。
それが将来の自分への“お守り”になると、私は思っています。

食の選択は、未来への投資でもあります。
地球環境、動物福祉、飢餓の問題…どれも他人事ではありません。
特に、子どもや孫がいる私達にとって残された仕事は、
美しい世界を次世代に残していく
ことだと思っています。
完璧じゃなくてもいい。
自分ができる小さな選択から、未来を変えることができる。
私はそう信じています。
はじめの一歩
今この年齢だからこそ、体も心も「ヴィーガン寄り」がしっくりくる。
まずは1日1食からでも、やさしい食事を始めてみませんか?
無理なく始めるヴィーガン生活のヒント

ヴィーガン生活に興味はあるけれど、
全部やめなきゃダメなの?
家族とどう合わせればいいの?
と不安になる方も多いと思います。
でも大丈夫。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、“続けられるかたち”を見つけることです。
ここでは、私が実践している「おおむねヴィーガン」の続け方のヒントをご紹介します。

最初から全部を変えるのは大変です。
だから、「できるところから1つずつ」で大丈夫。
たとえば…
- 朝食を植物性ミルクに変える
- お肉の代わりに豆腐やテンペを使ってみる
- 外食では「ヴィーガン寄りのメニュー」を選ぶ
無理なく取り入れて、「おいしい」「気持ちいい」と思えることが大事。
その感覚が、次の一歩を自然に後押ししてくれます。

私のおすすめは、「家ではヴィーガン、外では自由」というスタイル。
家では好きなレシピを試せるし、調味料や食材にもこだわれます。
一方で、外食や旅行では「一緒に楽しむ」を優先することで、ストレスがぐんと減ります。
ヴィーガンを“制限”ではなく、“自分らしい選択”として続けるために、メリハリをつけることはとても大切です。

食事は、栄養だけでなく“気持ち”にも大きな影響を与えます。
「これでいい」「この選択が好き」そう思えることで、心がふっと軽くなる。
ヴィーガンは、自分ファーストで構わないのです。
なぜなら、ヴィーガンは「人から強制されたもの」ではなく、「自分で選んだもの」だからです。
たとえ今日は0点でも、明日はまたやさしく始めればいい。
ヴィーガン生活は、自分を責めるものではなく、自分を大切にするひとつの方法です。
はじめの一歩
完璧じゃなくていい。
まずは今日の食事の中に、“植物を主役にした1品”を加えてみませんか?
あなたのペースで始めていけば、それが一番のヴィーガンです。
よくある質問(FAQ)

- 肉が好きでもヴィーガンはできますか?
- もちろんできます!
私自身、かつては大の肉好きでしたが、今は「おおむねヴィーガン」で心地よく続けています。
まずは“減らす”ことから始めてみてください。好きなものを無理にやめなくても大丈夫です。
- 完全ヴィーガンじゃないと意味がないのでは?
- そんなことはありません。
少しずつ変えていくことに意味があります。
70点でも、時には60点でもいい。
続けられるかたちで取り入れていくことが、体にも心にもやさしいんです。
- 家族が反対するかもしれません…
- 家族と違う食生活を選ぶのは勇気が要りますよね。
でも、無理に押しつけなくても大丈夫です。
まずは自分の分だけ“やさしい選択”をしてみる。
自然と会話が生まれ、共感が広がることもありますよ。
- 栄養が偏るのが心配です…
- 偏りがちになるポイントは確かにあります。
たんぱく質や鉄分、カルシウムなどは意識的に摂る必要がありますが、
今はヴィーガン対応の食品やサプリもたくさんあります。
無理せず、補いながらやっていけば心配ありません。
- どんなふうに始めたらいいですか?
- まずは1日1食、植物を主役にしたごはんを作ってみるのがおすすめです。
豆腐や野菜、穀物を使ったシンプルなメニューでOK!
「おいしい」「気持ちいい」と感じたら、それがあなたの最初の一歩です。
おわりに|完璧じゃなくていい。やさしい選択からはじめよう

「ヴィーガン」と聞くと、どこかストイックで難しそうな印象があるかもしれません。
でも私は、がんという経験を経て、「自分の身体をいたわる生き方」を考えるようになりました。
肉が好きでもいい。
外食では自由でもいい。
大切なのは、自分が「気持ちいい」と思える選択を続けること。
それが、私のたどり着いた「おおむねヴィーガン」というスタイルです。
アラカン世代は、体調の変化や人生の価値観の変化に直面する時期でもあります。
だからこそ今、“ヴィーがん寄り”の暮らしがしっくりくるのかもしれません。
あなたも、今日のごはんから、小さな一歩をはじめてみませんか?
完璧じゃなくても大丈夫。
続けられるペースで、自分らしく。
このブログが、あなたの「やさしい選択」のヒントになれば嬉しいです。