
アラカン紳士さん、最近どうにも心と体が落ち着きませんの。
ほてりに眠れぬ夜、つい感情も揺れてしまいまして…

ふむ、更年期の波が訪れたようですな。
だがご安心を。
植物のちからで、ゆらぎを整える道もございますよ。

薬に頼る前に、体にやさしい方法を探しておりました。
ヴィーガンも、その1つになりましょうか?

まさしく。
ヴィーガンは“自然と調和する選択”。
その知恵、今ここに紐解いてまいりましょう
40代後半から60代にかけて訪れる更年期。
ほてり、イライラ、眠れない夜…誰にも言えない不調に、悩んでいませんか?
ホルモンのバランスが崩れ、心と体がゆらぎやすくなるこの時期。
薬に頼るのも1つの選択ですが、もっとやさしく整える方法があるとしたら?
この記事では、6年間のヴィーガン生活で体と向き合ってきた筆者が、
「更年期の不調をやわらげるヴィーガン食材と食事法」をご紹介します。
毎日のごはんを少し見直すだけで、不調が軽くなることもあります。
「できることから、1品だけ」。
そんなやさしい選択を、一緒に始めてみませんか?
- 更年期の主な不調とホルモンの関係
- なぜヴィーガン食材が整えに役立つのか
- 症状別のおすすめメニュー(イライラ・不眠・便秘など)
- 植物性食品だけで栄養は足りる?Q&Aで解説
- 薬に頼らず、毎日のごはんでゆらぎと向き合うヒント
目次
- 更年期の不調とは?眠れない・イライラ・ほてりの原因と向き合う
- 更年期とヴィーガン食材の関係|なぜ植物性の食事が整えに効くのか?
- 更年期のイライラ・気分の揺れに効くヴィーガン食材|神経をいたわる食べ物たち
- 更年期の眠れない夜に|安眠をサポートするヴィーガン的夜ごはん
- 更年期の便秘・ぽっこりお腹に|腸から整えるヴィーガン腸活レシピ
- 更年期のホットフラッシュ(ほてり・発汗)に|体温バランスを整えるヴィーガン食材
- その他の更年期症状(関節のこわばり・疲労・乾燥肌)に|体の中からサポートするヴィーガン食材
- ❓よくある質問(FAQ)|更年期とヴィーガン食事の疑問にお答えします
- 🌼おわりに|更年期の体と心に、やさしい食卓を
更年期の不調とは?眠れない・イライラ・ほてりの原因と向き合う

眠れない夜が増えた
なぜか気分が安定しない
体がほてるように熱くなる
そんな変化を感じたとき、年齢のせいだと分かっていても、不安や戸惑いがあるものです。
日々の忙しさの中で、つい見過ごしてしまいがちなこの時期の不調。
私の妻もかつて、「何となく調子が悪い」が続く日々にモヤモヤしていました。

更年期とは、体内のホルモンバランスが大きく変化する時期です。
中でも「エストロゲン」と呼ばれるホルモンの減少が、自律神経や感情の安定、睡眠リズムに影響を与えます。
- 自律神経のバランスを整える
- 睡眠や体温の調整を助ける
- 感情の安定を支える
- 骨や血管、皮膚の健康を維持する
このような働きが弱まることで、以下のような症状が出やすくなります。
- ほてりや異常な発汗(ホットフラッシュ)
- イライラ・不安感・気分の浮き沈み
- 不眠・中途覚醒・寝つきの悪さ
- 集中力の低下・疲れやすさ

私の場合、妻の変化がきっかけでした。
夏でもないのに突然「カーッと暑くなる」と言い、夜中に何度も目を覚ますように。
朝はだるそうで、頭が重い、眠った気がしないとこぼす日々が続いていました。
「これは何かおかしい」と思い調べていく中で、更年期というキーワードにたどり着きました。
けれど妻は、薬に頼ることには慎重でした。
「できれば自然な方法で整えたい」と、日々の食事や生活習慣を見直すようになったのです。
その中で、植物性の食事、つまりヴィーガンという選択が、少しずつ回復の手応えをくれました。
体も気持ちも軽くなってきた、と笑顔を見せるようになった妻の変化を、私は今もはっきり覚えています。

更年期は、体のシステムが次のステージへ向けて変化する“移行期”です。
決して異常なことではなく、ごく自然な過程。
ただし症状の出方や強さには個人差があるため、「自分だけがつらい」と思い込まないことが大切です。
そしてもう一つ。
こうした変化に対応するには、日々の「食事」が大きな味方になります。
妻も植物性中心の食生活に切り替えたことで、少しずつ整いを感じられるようになりました。
次の章では、「なぜ植物性の食材が更年期の不調に役立つのか?」についてお伝えしていきます。
更年期とヴィーガン食材の関係|なぜ植物性の食事が整えに効くのか?

更年期の不調をやわらげる方法として、「毎日の食事を見直す」ことはとても有効です。
特に最近は、植物性の食品に含まれる自然な成分が、ホルモンのゆらぎに寄り添ってくれるとして注目されています。
中でもよく知られているのが、大豆などに含まれるイソフラボンや、ごまや亜麻仁などに豊富なリグナン。
これらは「フィトエストロゲン」と呼ばれ、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする植物性の成分です。
働きはあくまで穏やかですが、エストロゲンの量が急激に減る更年期の体にとって、
このやさしい“補佐役”がホルモンのバランスを保つサポートをしてくれるといわれています。
(※参考:日本女性医学学会・The Journal of Nutrition ほか)

実際、妻が体調の変化を感じて食生活を見直したとき、まず意識したのが「植物性を中心に、体を冷やさず、消化にやさしいものを」でした。
動物性の脂肪や加工食品を減らし、豆類、根菜、海藻、雑穀などの“昔ながらの和食に近い”食事に変えたことで、
夜の目覚めが減り、朝のだるさも軽くなったと話していました。
植物性の食材には、食物繊維や抗酸化成分が豊富に含まれていて、腸内環境を整えたり、体の炎症を抑えたりする働きがあります。
実際に、これらの要素が更年期のホルモン代謝や自律神経の安定に関係していることも、複数の研究で示されています。

とはいえ、いきなりすべてを植物性に変える必要はありません。
妻が実践していたのも「ほぼヴィーガンスタイル」です。
自分が心地よく感じられる範囲で、できるだけ植物性の食材を選ぶという形でした。
更年期の整えに必要なのは、厳密なルールよりも、「自分にやさしくあること」。
食事は、そのための小さな第1歩になります。
更年期のイライラ・気分の揺れに効くヴィーガン食材|神経をいたわる食べ物たち

更年期の背景にあるのは、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少です。
エストロゲンは、脳内でセロトニンという“幸福ホルモン”の分泌を助ける働きがあり、
その減少により、気分の安定や睡眠リズムが乱れやすくなるのです。
これは国内外の多くの研究でも報告されています(※参考:厚生労働省「女性の健康支援ガイド」ほか)。

以下の3つは、特に注目されている「心を穏やかに保つ栄養素」です:
マグネシウム:神経伝達を安定させ、不安感の軽減に関与
ビタミンB群:脳の働きと神経伝達物質の生成に不可欠
トリプトファン:セロトニンやメラトニンの材料となる必須アミノ酸
これらは、ナッツ類・豆類・全粒穀物・バナナ・カカオなど、
ヴィーガンでも取り入れやすい食品に多く含まれています。
🌱 米国栄養学会(ADA)では、「植物性中心の食生活は、栄養不足にならず、むしろ慢性疾患の予防や精神的安定に寄与する」との声明も出されています(Craig, W. J. et al., J Am Diet Assoc, 2009)。

妻の場合は、朝にナッツ入りのオートミール粥を食べる習慣を取り入れたことで、
午前中のイライラが減った
と話していました。
それまではトーストとコーヒーだけの朝食でしたが、
バナナ・シナモン・くるみ・豆乳などを使った温かいオートミールは、腹持ちもよく、心も落ち着いたそうです。
また、ナッツとカカオパウダーを使った手作りエナジーボールを作り置きしておくことで、
甘いものが欲しくなる夕方の時間帯にも、罪悪感なく “心を満たせる”おやつになりました。

以下に、気分の揺れに効くヴィーガンメニューを紹介します。
くるみとカカオのエナジーボール

- デーツ(種なし)…3粒(約25g)
- くるみ(ローストでも可)…20g
- オートミール…10g
- カカオパウダー(無糖)…小さじ1
- 塩…ひとつまみ
【作り方】
- デーツはぬるま湯で5分ほど戻し、柔らかくする。
- 全ての材料をフードプロセッサーまたはミキサーで混ぜる。
- ひと口サイズに丸めて冷蔵庫で30分以上冷やす。保存は冷蔵で3〜4日。
👉 トリプトファン、マグネシウム、食物繊維を手軽に補給できます。
バナナとくるみの豆乳オートミール粥

- オートミール(ロールドタイプ)…30g
- 無調整豆乳…150ml
- バナナ(完熟)…1/2本(約50g)
- くるみ…5g
- シナモンパウダー…少々
- メープルシロップ…小さじ1(お好みで)
【作り方】
- 鍋に豆乳とオートミールを入れ、弱火で3〜5分加熱。
- とろみが出たらOK。
- 薄切りにしたバナナと砕いたくるみを加え、さっと混ぜる。
- 器に盛り、シナモンとメープルシロップをかけて完成。
👉 ビタミンB群・トリプトファン・良質脂質をバランスよく摂取。朝食にぴったりです。
イライラや気分の乱れは、「食べて整える」ことができる時代です。
無理のない範囲で、心にやさしいヴィーガンメニューを取り入れてみてください。
次章では、「眠れない夜をやさしくサポートする食事の工夫」をご紹介します。
更年期の眠れない夜に|安眠をサポートするヴィーガン的夜ごはん

「夜中に何度も目が覚める」「布団に入っても寝つけない」
更年期になると、睡眠の質が急に落ちることがあります。
私の妻も、「寝た気がしない朝」がしばらく続いていました。
この原因のひとつは、ホルモンの変化によって、睡眠をつかさどるメラトニンやセロトニンが減少すること。
また、自律神経の乱れによって交感神経(活動モード)が夜まで働いてしまい、リラックスできない状態が続いてしまうのです。

睡眠ホルモン・メラトニンの材料になるのが、トリプトファンというアミノ酸です。
これにビタミンB6とマグネシウムが加わると、脳内でセロトニンが生成され、リラックスにつながります。
- バナナ
- 豆腐・納豆・味噌
- 玄米・雑穀
- ナッツ類
- ごま
ビタミンB6やマグネシウムもこれらの食材と一緒に摂れるため、植物性でも十分に安眠サポートが可能です。
🧠 参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」/日本睡眠学会「眠りと食事の関係」

夜遅くの重い食事やアルコール、カフェインは、睡眠の質を落とす原因になります。
そこで妻は、“眠れる夜ごはん”として玄米や甘酒を使ったやさしい一汁一菜メニューを実践するようになりました。
「食後の体が温まり、自然と眠気がくる」「夜中の覚醒が減った」と、本人も驚いていたほどです。

以下に、眠りを誘うヴィーガンメニューを紹介します。
甘酒+きなこのホットドリンク

- 甘酒(米麹・無加糖)…120ml
- 無調整豆乳…60ml
- きなこ…小さじ1
- シナモンパウダー(お好みで)
【作り方】
- 甘酒と豆乳を小鍋で弱火にかけ、ふつふつと温まったら火を止める。
- カップに注ぎ、きなこを混ぜる。仕上げにシナモンをふって完成。
👉 トリプトファン・GABA・オリゴ糖で、腸と脳を同時にやさしくサポート。
玄米と蒸し野菜の梅みそソースがけプレート

- 玄米ごはん…150g
- ブロッコリー…1/3株
- にんじん…1/4本
- 小松菜…1株
- 梅干し…1個
- 白みそ…大さじ1
- 水…大さじ1
- すりごま…小さじ1
【作り方】
- 野菜はすべて食べやすく切り、蒸し器または電子レンジで蒸す。
- 梅干しは種を取り、白みそ・水・すりごまと混ぜてソースに。
- 玄米と蒸し野菜を盛りつけ、ソースをかけて完成。
👉 腸内環境を整える玄米+ミネラル豊富な緑黄色野菜の組み合わせ。梅の酸味が心身をゆるめます。
眠れない夜が続くと、不安も蓄積しがちです。
ですが、「食べる時間と内容を少し変えるだけ」で、体は静かに応えてくれます。
更年期と和の知恵──おばあちゃんの食養生
食生活を整えるにあたって、思い出したのが祖母の暮らしでした。
味噌汁に梅干し、玄米にぬか漬け。昔は当たり前だった食卓が、今の時代には「自然療法」として見直されつつあります。
体が冷えると気が沈む
白い砂糖より、干し柿や甘酒のほうがいい
そんな言葉を、祖母はよく口にしていました。
当時は深く考えていませんでしたが、あらためて振り返ると、植物性中心・発酵食品を含む和の食事は、
更年期の症状を和らげる“知恵の集積”だったのだと感じます。
昔の人の暮らしは、理屈ではなく、からだの声に耳を傾けていたのかもしれません。
更年期の便秘・ぽっこりお腹に|腸から整えるヴィーガン腸活レシピ

なんとなくお腹が重い
毎朝すっきりしない
更年期を迎えると、便秘やぽっこりお腹に悩む方が増えてきます。
これは、加齢による腸のぜん動運動の低下に加え、ホルモンバランスの変化やストレスが腸内環境に影響するためです。
腸は“第二の脳”とも呼ばれ、気分や免疫にも大きく関わる器官。その調子が乱れると、心身の不調にもつながりやすくなります。

動物性食品を控え、植物性中心の食事にすることで腸内の善玉菌が増えやすくなることが近年注目されています。
特に以下のような食材は、腸活に効果的とされています:
- 水溶性食物繊維:海藻、果物、もち麦など
- 不溶性食物繊維:ごぼう、豆類、玄米など
- 発酵食品:味噌、ぬか漬け、甘酒など
- オリゴ糖:玉ねぎ、大豆、バナナ、きなこなど
🌿 米国医学会のレビューでも、プラントベースの食事は「腸内細菌叢の多様性を高め、便通改善に寄与する」と報告されています(Albenberg LG et al., Gastroenterology, 2014)。

妻も以前は「週に2〜3回出ればいいほう」という便秘タイプでしたが、
玄米や海藻、発酵食品を意識的に摂るようになってからは、毎朝自然なお通じがくるようになりました。
「今ではトイレに入って3分以内に“笑顔で出られる”」と本人も言っています。

以下に、腸を整えるヴィーガンメニューを紹介します。
もち麦入り玄米とひじき・大豆の混ぜごはん

- 玄米…100g(炊飯前)
- もち麦…30g
- 茹で大豆…50g
- 乾燥ひじき…小さじ2(戻して使用)
- にんじん(みじん切り)…1/4本
- しょうゆ…小さじ1
- ごま油…小さじ1
【作り方】
- 玄米ともち麦は一緒に炊飯する(浸水は2時間以上)。
- フライパンにごま油を熱し、にんじん・ひじき・大豆を炒める。
- しょうゆで味を調え、炊き上がったごはんに混ぜ込む。
👉 水溶性+不溶性食物繊維がしっかり摂れる「食べる整腸剤」。
豆乳ヨーグルトのきなこバナナ和え

- 無糖の豆乳ヨーグルト…100g
- バナナ(輪切り)…1/2本
- きなこ…小さじ1
- メープルシロップ…小さじ1(お好みで)
【作り方】
- 器に豆乳ヨーグルトを盛り、バナナ・きなこをのせる。
- メープルシロップをかけて完成。
👉 オリゴ糖・植物性乳酸菌・トリプトファンがセットで摂れるデザート風腸活メニュー。
「腸が整うと、心も軽くなる」
更年期の体調ケアにおいて、腸内環境を意識することは本当に大切です。
次の章では、「ホットフラッシュや発汗に効く、身体をゆるめるヴィーガン食材」をご紹介します。
更年期のホットフラッシュ(ほてり・発汗)に|体温バランスを整えるヴィーガン食材

「急にカーッと顔が熱くなる」「大量の汗で夜中に目が覚める」
これらは、更年期特有の“ホットフラッシュ”や発汗障害と呼ばれる症状です。
私の妻も、あるとき突然「エアコンをつけていても汗が噴き出す」と訴え、
タオルを枕元に常備するようになったほどでした。

ホットフラッシュの主な原因は、エストロゲンの急減による自律神経の不調です。
脳の体温調整中枢が過敏になり、「暑くないのに汗が出る」「寒いのにのぼせる」といった状態が起こります。
このため、薬に頼る以外にも、神経の働きを穏やかにする栄養素や、血流を整える食事が有効です。

植物性食品には、ホットフラッシュの緩和に役立つものがいくつもあります。
- セロリ・春菊・みょうが:
自律神経の緊張をゆるめる香味野菜 - 小豆・黒豆・ごぼう・蓮根:
余分な熱を冷まし、血を補うとされる“陰”の食材(東洋医学的観点)
腸を整え、ホルモン代謝にも間接的に関与 - 生姜・シナモン:
体をあたためながら冷えを追い出す「温裏(おんり)」食材
🌿 ハーバード公衆衛生大学院による報告でも、「植物中心の食事は血流と体温調整に有益な影響を及ぼす」とされています(Toledo E. et al., BMJ, 2013)。

冷えとほてりが交互にくるような日が続いた頃、妻は夕食に“余計に体を冷やさず、温めすぎない”バランスのとれた食材を意識するようになりました。
蒸し野菜、香味野菜、豆類の味噌汁などを中心に、「熱すぎず冷たすぎない」食事で体の反応が穏やかになったそうです。

以下に、体をいたわるヴィーガンメニューを紹介します。
黒豆入りごぼうと蓮根の甘味噌炒め

- 黒豆(水煮または蒸し)…50g
- ごぼう…1/3本(ささがき)
- 蓮根…30g(薄切り)
- 白ごま…小さじ1
- 味噌…大さじ1
- みりん…小さじ2
- ごま油…小さじ1
【作り方】
- フライパンにごま油を熱し、ごぼうと蓮根を炒める。
- 黒豆を加えてさらに炒め、味噌とみりんを加えて全体に絡める。
- 器に盛り、ごまをふって完成。
👉 食物繊維とポリフェノールが豊富。血流も整い、甘みと塩味で満足感あり。
セロリと春菊の塩こうじ蒸しサラダ

- セロリ…1/2本(斜め薄切り)
- 春菊…1/4束(3〜4cmに切る)
- 塩こうじ…小さじ1
- オリーブオイル…小さじ1
- レモン汁…小さじ1(お好みで)
【作り方】
- セロリと春菊を蒸し器または電子レンジで軽く蒸す(1分〜1分半)
- 塩こうじとオイルを混ぜてドレッシングにし、野菜に和える
- お好みでレモン汁を加えてさっぱりと
👉 香味成分が自律神経にやさしく作用。夜でも胃にやさしい1皿。
更年期のほてりや汗は、「気合い」でコントロールできるものではありません。
毎日の食事の“少し穏やかにする力”を利用してみてはどうでしょう。
次の章では、その他の症状──関節のこわばり・疲労感・乾燥肌などに役立つ食材とメニューをご紹介します。
その他の更年期症状(関節のこわばり・疲労・乾燥肌)に|体の中からサポートするヴィーガン食材

更年期は、心とホルモンだけでなく、全身のさまざまな不調が現れやすい時期です。
よくあるものとしては、以下のような症状があります:
朝起きたときに感じる関節のこわばり
「何もしていないのに疲れる」といった慢性的なだるさ
かゆみや粉ふきが気になる乾燥肌やかさつき
これらの症状にも、食事を通じて“やさしく整える”ことが可能です。

気になる症状 | 補いたい栄養素と働き | 主な食材例 |
---|---|---|
関節のこわばり・痛み | ビタミンE(抗酸化・血行促進)オメガ3脂肪酸(抗炎症作用) | アーモンド、かぼちゃ、アボカド、亜麻仁油、チアシード、くるみ |
慢性疲労・だるさ | 鉄・ビタミンC(貧血予防)クエン酸(疲労回復) | ひじき、レンズ豆、小松菜、柿、いちご、梅干し、レモン、黒酢 |
乾燥肌・かゆみ | 良質な脂質(皮膚のバリア機能を守る)ビタミンA・E(肌の代謝) | アボカド、ナッツ、オリーブオイル、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、アーモンド |
🧬 皮膚科学分野では「オメガ3やビタミンEを含む植物性食品の摂取が、皮膚バリアと抗炎症機能を支える」と報告されています(Simopoulos AP, Lipids in Health and Disease, 2002)。

以下に、不調を優しくケアするヴィーガンメニューを紹介します。
アボカドとチアシードの冷やし豆乳スープ

- アボカド…1/2個
- 無調整豆乳…150ml
- レモン汁…小さじ1
- チアシード…小さじ1(あらかじめ水に浸けておく)
- 塩・こしょう…少々
【作り方】
- アボカドをフォークでつぶし、豆乳・レモン汁・塩こしょうと混ぜる。
- チアシードを加えて冷蔵庫で10分冷やし、器に盛る。
👉抗炎症・良質脂質・ビタミンEがしっかり補える、美肌&抗疲労スープ。
🥣かぼちゃと大豆のほっこり煮

- かぼちゃ…80g(一口大)
- 大豆(水煮または蒸し)…50g
- 玉ねぎ…1/4個(薄切り)
- だし汁(昆布だしまたは水)…150ml
- しょうゆ…小さじ1
- みりん…小さじ1
【作り方】
- 鍋にだし汁・玉ねぎ・かぼちゃを入れ、中火で加熱。
- かぼちゃが柔らかくなったら、大豆・しょうゆ・みりんを加える。
- さらに3分ほど煮て、全体がなじんだら火を止める。
👉 大豆のたんぱく質・鉄分・イソフラボンと、かぼちゃのビタミンE・βカロテンが合わさった、やさしい甘辛味の煮物です。
更年期の症状は多岐にわたりますが、体はいつも「整えるヒント」をくれています。
ちょっとした疲れやかさつきも、「今日何を食べるか」で変わるという感覚を、ぜひ味わってみてください。
❓よくある質問(FAQ)|更年期とヴィーガン食事の疑問にお答えします

- 更年期の不調にヴィーガン食は本当に効果がありますか?
- 劇的な即効性があるわけではありませんが、ホルモンバランスや自律神経を穏やかに整えるという点で、多くの研究でも一定の効果が示されています。
特に、豆類・野菜・発酵食品を多く含む「プラントベース中心の食事」は、更年期症状をやわらげる自然療法の一つとして注目されています。
- 肉や魚をまったく食べないのは難しいです…
- 大丈夫です。この記事で紹介したのは「完全ヴィーガン」ではなく、Almost Vegan(ほぼ植物性)のスタイルです。
週に何日かだけ、夜だけ、朝食だけ…そんな小さな取り入れ方でも、体へのやさしい変化は十分期待できます。
- 大豆アレルギーがあっても大丈夫?
- はい。ごま・亜麻仁・海藻・ナッツ類・雑穀・野菜など、大豆以外にも植物性のホルモン様成分やミネラルを含む食材は多くあります。
必要に応じて、管理栄養士やアレルギー専門医と相談しながら、自分に合った代替食材を選びましょう。
- ヴィーガンにするとタンパク質が足りなくならない?
- 豆類・雑穀・ナッツ・種子類には植物性の良質なたんぱく質がしっかり含まれています。
たとえば、豆腐1丁で約15g、ひよこ豆100gで約19gのたんぱく質が摂取可能です。
食材をバランスよく組み合わせれば、動物性に頼らなくても更年期を元気に乗り越える栄養補給ができます。
- 市販品で取り入れやすいヴィーガン食品はありますか?
- はい。最近はスーパーやコンビニでも、豆乳ヨーグルト・オートミール・甘酒・アーモンドミルク・雑穀パック・冷凍豆類などが手軽に手に入ります。
まずは「朝食だけヴィーガン」を意識して、手間をかけすぎずに取り入れられるものから始めてみてください。
🌼おわりに|更年期の体と心に、やさしい食卓を

更年期の不調は、見た目ではわからないぶん、ひとりで抱え込みがちです。
眠れない
気分が沈む
汗が止まらない
そんな声にならない辛さに、私の妻も長く悩んでいました。
でも、ある日から少しずつ「食べるもの」を変えていくことで、
彼女の体調にも、表情にも、ゆるやかな変化が訪れたのです。
この記事でご紹介したヴィーガン食材やメニューは、
どれも厳しい制限ではなく、“自分をいたわる選択肢”としての食事です。
完全ヴィーガンでなくても構いません。
「まずは1品、植物性のやさしい料理を試してみる」
それだけで、明日の調子が少し軽くなるかもしれません。
更年期は、“終わり”ではなく、体が新しいバランスを探し始める時期。
そのプロセスに、植物のちからと、自分を大切にする気持ちをそっと添えてみませんか?
あなたが、これからの日々をもっと心地よく過ごせますように。