
アラカン紳士さん、最近よく“ヴィーガン”とか“ベジタリアン”とか聞きますけど、
正直…どう違うのか、わからなくて困ってますの。

ふむ、それはよくあるお悩みですな。
実は食べ物だけでなく、考え方や暮らし方にも違いがあるのですよ。
ご安心を、ひとつひとつ分かりやすくご案内しましょう。

まぁ、そんなに深い違いがあるんですね。
私でも始められるスタイル、あるかしら?

もちろん。マダムにぴったりのやさしいスタイル、きっと見つかります。
まずは“違い”から、ゆっくりまいりましょう。
はじめに

ヴィーガンとベジタリアンって、何が違うの?
ヴィーガンにはどんな種類があるの?
そんな疑問を持つのは、実はあなただけではありません。
“なんとなく身体に良さそう”
“環境にいいらしい”
そう感じつつも、はっきりとした違いや、自分に向いているかどうかが分からず、
一歩を踏み出せない方は多いのです。
特にアラカン世代は、体調やライフスタイルの変化を感じやすい時期。
だからこそ、無理なく・気持ちよく続けられる「ヴィーガンスタイル選び」がとても大切です。
私はがんを経験し、そこから体と心を見つめ直す中でヴィーガンという選択に出会いました。
今ではすべての検査値が正常。薬も手放し、心地よく生きる日々を楽しんでいます。
この記事では、「ヴィーガンとベジタリアンの違い」から始まり、
さまざまなヴィーガンの種類、そしてあなたに合った“やさしい始め方”まで丁寧にご紹介します。
- ヴィーガンとベジタリアンの違い
- ヴィーガンの種類とその背景
- 目的や価値観に合ったスタイルの選び方
- アラカン世代におすすめの実践スタイル
ヴィーガンとベジタリアンの違いとは?

ヴィーガンやベジタリアンと聞くと、どちらも「お肉を食べない人たち」というイメージがあるかもしれません。
でも実際には、考え方や日々の暮らしにまで関わる、意外と大きな違いがあるんです。

「ヴィーガンとベジタリアン、どっちも菜食でしょ?」
そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。
実はこの2つ、食べるものだけでなく、その“背景の考え方”にも大きな違いがあるのです。
この違いを知ることで、自分に合った食スタイルがぐっと選びやすくなります。

ベジタリアンは主に「肉や魚を食べない」スタイルのこと。
ただし、卵や乳製品を食べるかどうかによって、さらに細かく分かれます。
- ラクト・ベジタリアン
乳製品はOK、卵はNG - オボ・ベジタリアン
卵はOK、乳製品はNG - ラクト・オボ・ベジタリアン
卵・乳製品どちらもOK - ペスコ・ベジタリアン
魚はOK(ヴィーガンとは区別される)
ベジタリアンは、健康や宗教、動物福祉などさまざまな理由から選ばれる柔軟な食スタイルです。

一方、ヴィーガンはもっと徹底しています。
食べ物に関しては、肉・魚はもちろん、卵、乳製品、はちみつなども避けます。
さらに、革製品や動物実験された化粧品など、「動物由来」の製品全体を使わないようにする人も多いです。
つまり、ヴィーガンは「食事」だけでなく「暮らし方」「考え方」までも含めた、ライフスタイルの選択といえます。
項目 | ベジタリアン | ヴィーガン |
---|---|---|
肉・魚 | 食べない | 食べない |
卵・乳製品 | 摂る場合あり(種類による) | 摂らない |
はちみつ | 摂る人もいる | 摂らない |
革製品・ウール | 使用する人が多い | 使用しない傾向が強い |
食の目的 | 健康・環境・宗教など | 動物倫理・環境・健康すべて重視 |
ライフスタイル | 食事中心(生活全体にまでは及ばないことも) | 衣食住まで動物由来を避ける人も多い |
どちらも「やさしい選択」、自分に合うほうでOK
ヴィーガンは厳格、ベジタリアンはゆるい。
そんなふうに優劣で比べる必要はありません。
あなたの価値観や体調、家族との関係などに合ったやさしいスタイルを選ぶことが、何よりも大切です。
まずは“違いを知る”ことから、一歩ずつ始めてみましょう。
ヴィーガンの種類一覧|代表的なスタイル10選

「ヴィーガン」とひとことで言っても、その背景や実践の仕方は人それぞれ。
実は、ヴィーガンには目的や信念によっていくつかのタイプがあるのです。
ここでは代表的な10のスタイルをご紹介します。
それぞれの特徴を知ることで、自分に合ったスタイルが見えてくるかもしれません。

特徴
エシカル・ヴィーガンは、「すべての動物が搾取されない世界を目指す」という強い信念から、
動物性食品だけでなく、革製品・ウール・シルク・動物実験された製品も避けます。
食卓だけでなく、生活全体を通じて“やさしさ”を選ぶライフスタイルです。
なぜこのスタイルを選ぶのか?
「誰かの犠牲の上に自分の暮らしを築きたくない」――そんな深い共感が出発点です。
動物の感情や痛みに寄り添う姿勢は、多くの人に“自分の消費が誰かを苦しめていないか”という気づきを与えてくれます。
こんな人におすすめ
動物が好きな方、倫理観を大切にしたい方。
食事以外にも「心の筋トレ」をしたい人にぴったりです。

特徴
健康維持や体質改善を目的として、動物性食品を避けるスタイルです。
特に高血圧・高コレステロール・糖尿病など、生活習慣病が気になる方に選ばれています。
なぜこのスタイルを選ぶのか?
「数値が気になる」「体調が不安定」「薬を減らしたい」――そんな想いから、
まずは“内側から整える食事”として実践が始まります。
医師や栄養士と連携しながら取り入れる人も多く、実践的なヴィーガンとも言えます。
こんな人におすすめ
検診結果が気になり始めた方、自然な方法で体を整えたいアラカン世代におすすめです。

特徴
畜産が地球温暖化・森林破壊・水資源の大量消費につながることから、
環境負荷を減らすためにヴィーガンを選ぶスタイルです。
なぜこのスタイルを選ぶのか?
「子どもや孫の世代に、今より悪い地球を残したくない」――そんな優しさからの選択。
肉や乳製品の消費を控えることで、CO₂排出量や水の使用量をぐっと減らせるという事実は、
日々の食事が“地球へのラブレター”になることを教えてくれます。
こんな人におすすめ
環境問題に関心のある方、未来の世代のために小さな一歩を踏み出したい方に。

特徴
未精製・未加工の食材を中心に、野菜、果物、豆、全粒穀物、ナッツなどを取り入れるスタイルです。
精製された油や砂糖、加工食品を避けることで、栄養素をより自然なかたちで摂取できます。
なぜこのスタイルを選ぶのか?
ホールフード・ヴィーガンは、健康・倫理・環境の三つの理由から選ばれることが多いです。
まず、健康面では、心臓病・糖尿病・高血圧・肥満など生活習慣病の予防・改善が期待され、
特にビタミンやミネラル、抗酸化物質が豊富に摂れる食事として注目されています。
また、加工品や添加物を避けることにより、腸内環境の改善や血糖値の安定にも寄与します。
これは年齢とともに代謝の落ちやすいアラカン世代にとって、大きなメリットです。
さらに、動物性食品を避けることで、動物の命を尊重する倫理的な姿勢や、
畜産がもたらす温室効果ガス・資源消費の軽減といった環境負荷の削減にも貢献できるのです。
こんな人におすすめ
生活習慣病が気になる方、自然で整った食事を選びたい方。
また、「自分の体調も、地球の未来も整えたい」と感じているアラカン世代におすすめです。

特徴
ローヴィーガンは、食材を48℃以下で調理する、生食中心のヴィーガンスタイルです。
火を通さないことで、食べ物が本来持っている「酵素」や「ビタミン」などの栄養を壊さずに摂れると考えられています。
なぜ加熱を避けるの?
その理由は大きく3つあります
・酵素を守るため
加熱によって壊れる酵素を守り、自然の力をそのまま体に取り入れたいという考え方。
・栄養素の損失を防ぐため
ビタミンCや葉酸など、熱に弱い栄養素を効率よく摂取できる。
・体を内側から整えるため
一部では、加熱で生じるAGEs(老化の原因物質)を避け、抗炎症・アンチエイジングを意識する人も。
ただし注意も必要です。
生野菜ばかりで体が冷えたり、栄養バランスが偏ることもあるため、無理なく・季節に合わせて取り入れるのがポイントです。
こんな人におすすめ
酵素やビタミンをしっかり摂りたい方、自然派志向の強い方。
「まずは朝だけローフード」など、ゆるく始めたいアラカン世代にも◎

特徴
フルータリアンは、果物、木の実、種子など、植物が自然に落とす部分だけを食べることを基本としたスタイルです。
根菜や葉物野菜のように、植物の「本体」を傷つける食材は避けるという、極めて非暴力的な考え方に基づいています。
なぜこのスタイルを選ぶのか?
その出発点は、「自分の食べる行為が、誰の命も奪わないものでありたい」という、究極のやさしさと倫理観です。
フルータリアンの中には、「木から果実をもぐことすらNG」と考える人もいて、
自然に落ちた果物だけを食べるという、徹底したスタンスを貫くこともあります。
また一部では、体内を整える“クレンズ(浄化)目的”として、
短い期間だけフルータリアンスタイルを取り入れる人も。
消化器を休め、腸内環境をリセットしたいときの“食のリトリート”として選ばれることもあります。
注意点
栄養が大きく偏りやすく、ビタミンB12やたんぱく質、カルシウムなどが不足しやすいため、
長期間の実践には栄養バランスへの配慮や専門家のサポートが必要です。
こんな人におすすめ
動物にも植物にもやさしくありたい方。
また、短期的に体を整えたい時期や、自分と深く向き合いたいときの“内なる選択”としても適しています。

特徴
宗教的ヴィーガンは、信仰の中で「命を傷つけない」「清らかな食を選ぶ」といった教えに基づいて、
動物性食品を避けるスタイルです。
代表的なのは、ジャイナ教・ヒンドゥー教・仏教などに見られる「非暴力(アヒンサー)」の思想。
これらの宗教では古くから、菜食を通じて心と体の調和を大切にする文化が根づいています。
なぜこのスタイルを選ぶのか?
「食べる」という日常の行為に、祈りや感謝の心を込めたい。
そう願う人にとって、食事は単なる栄養補給ではなく、内面を整える修行の一部でもあります。
仏教やヒンドゥー教だけでなく、キリスト教でも一部の宗派や信者は、
信仰の一環としてヴィーガンを選ぶことがあります。
たとえば、キリスト教のアドベンチスト派では健康を含めた“神への敬意”として、植物性の食事を重んじる考え方があります。
こんな人におすすめ
食を通して心と向き合いたい方。
「命と自分のつながりをもっと丁寧に感じてみたい」と思ったとき、
宗教的ヴィーガンの世界観は、静かな気づきをもたらしてくれます。

特徴
動物性食品は避けながらも、ポテトチップスやヴィーガン対応のカップ麺、代替肉バーガーなどの加工品やファストフードを積極的に楽しむスタイルです。
健康志向よりも、「ヴィーガンであること」と「満足感」の両立を重視します。
なぜこのスタイルを選ぶのか?
「おいしいものを我慢しないで、動物性だけは避けたい」――そんな気持ちが出発点。
健康的じゃなくても、まずは動物搾取を減らすことに意味があると考える人に選ばれています。
完璧を求めず、できるところから。
それがこのスタイルの魅力です。
どこまでがOK?というゆらぎも…
たとえば、ファストフードのポテトが動物性油で揚げられている場合、
厳密にはヴィーガンとは言えません。
でも、このスタイルでは「完全ヴィーガン」にこだわらず、
自分なりの線引きで“ゆるく実践”する人も多いのです。
そんな柔軟さが、長く続けられるコツになっているとも言えます。
こんな人におすすめ
「無理せず、ゆるく動物性を減らしたい」方。
ジャンクを楽しみながらも、ちゃんとやさしさを大切にしたい――
そんなアラカン世代の第一歩にもぴったりなスタイルです。

特徴
基本はヴィーガンの食生活を守りつつ、カキやムール貝などの二枚貝だけは食べるスタイルです。
これは貝類が「神経系が未発達で痛みを感じない」とされる点を根拠にしています。
なぜこのスタイルを選ぶのか?
「倫理的にヴィーガンを続けたい。でも栄養も気になる」
そんなジレンマに直面したとき、オストロ・ヴィーガンはリアリストの選択肢になります。
二枚貝はビタミンB12、鉄、亜鉛など、植物性だけでは不足しがちな栄養素を多く含んでおり、
補完的に取り入れる人も多いスタイルです。
こんな人におすすめ
「動物に優しくありたい。でも自分の体も大切にしたい」そんな両立を考える人にぴったり。
完璧よりも、続けられることを重視したいアラカン世代にも◎

特徴
「家ではヴィーガン、外では柔軟に」「平日は植物性中心、休日は家族と自由に」など、
ライフスタイルや状況に応じて調整する柔軟なヴィーガンスタイルです。
“ゆるヴィーガン”“フレキシタリアン”とも呼ばれます。
なぜこのスタイルを選ぶのか?
現代の生活では、外食・家族・社会との関わりの中で、完全なヴィーガンを貫くのが難しいことも。
そんなときに「できる範囲でいい」と割り切るこのスタイルは、ストレスを減らしながら継続できる道になります。
完璧じゃなくていい。一歩ずつでも“やさしい選択”を重ねたい。
そんな想いに寄り添ってくれるのが、混合スタイルの魅力です。
ただし、動物性食品の摂取をどの程度に抑えるかによって、健康への影響が異なることもあります。
長期的に続ける際には、医師や栄養士と相談しながら無理なく実践することが大切です。
このブログの「おおむねヴィーガン」も、ゆるヴィーガンの発想に近いです。
こんな人におすすめ
まずは1品から始めたい方。
家族との食卓を大切にしながら、やさしさと自分らしさを両立したいアラカン世代にぴったりです。
スタイル名 | 特徴 | 向いている人の傾向 |
---|---|---|
エシカル・ヴィーガン | 動物の権利や命を重視し、食だけでなく衣類・日用品も動物由来を避ける | 動物愛護の意識が強い人 |
ダイエタリー・ヴィーガン | 健康のために動物性食品を避け、栄養や生活習慣病の改善を目的にしている | 健康や美容を気にする人 |
環境ヴィーガン | 環境負荷を減らす目的で植物性中心の食生活を選ぶ | 地球環境や持続可能性に関心がある人 |
ホールフード・ヴィーガン | 未加工・自然のままの植物性食品を重視し、まるごとの食材を食べる | 自然派志向、体調改善を目指す人 |
ローヴィーガン | 生の植物性食品を中心に、加熱せずに食べるスタイル | 酵素やビタミンを重視し、ナチュラル志向の人 |
フルータリアン | 果物・ナッツ・種子を中心に、植物が自然に落とす部分だけを食べる | 極端なまでに動植物の命を尊重したい人 |
宗教的ヴィーガン | 信仰の教えによって動物性を避ける(仏教・ヒンドゥー教・一部キリスト教など) | 宗教の教えに従って食生活を見直したい人 |
ジャンクフード・ヴィーガン | ヴィーガンでも嗜好性を重視。ポテトや加工食品、スナックなども楽しむ | おいしさや楽しさを大事にしながら実践したい人 |
オストロ・ヴィーガン | 植物性中心だが、二枚貝(貝柱のない貝類)のみ例外として食べる | 知性や痛覚の観点で柔軟に判断したい人 |
混合タイプ(ゆるヴィーガン) | 時と場合により柔軟に取り入れ、無理のない範囲でヴィーガンを実践する | 継続しやすさ・現実とのバランスを重視したい人 |
目的別に見るヴィーガンの選び方|あなたに合うスタイルはどれ?

ヴィーガンにはいろんなスタイルがあるけれど、選び方に「正解」はありません。
大切なのは、“自分はなぜヴィーガンに興味を持ったのか”という気持ちと向き合うこと。
この章では、あなたの想いに寄り添いながら、ぴったりのスタイルを見つけるヒントをお届けします。

体調を崩した経験や、数値が気になり始めたとき、
「薬やサプリに頼る前に、まずは食事を見直したい」と思う人も多いはず。
そんな方には、ホールフード・ヴィーガンやダイエタリー・ヴィーガンがぴったりです。
ホールフード・ヴィーガンは、未精製・未加工の自然な食材を選び、
消化の負担を減らして内側から整えるスタイル。
ダイエタリー・ヴィーガンは、生活習慣病や体重コントロールを意識し、
健康目的で動物性食品を避けるスタイル。
検査値の改善や、疲れにくくなったという声も多く、
アラカン世代にとっても「無理なく自然に整える」食の選択肢になります。
また、動物性食品を完全にやめるのが不安な場合には、オストロ・ヴィーガンのように二枚貝だけを例外とするスタイルもあります。
鉄分やビタミンB12を補いながら、動物搾取を極力減らしたい人に合っています。

「命をいただくことに罪悪感がある」
「ペットを家族のように大切にしている」
そんな感性の持ち主には、エシカル・ヴィーガンやフルータリアンが共鳴するかもしれません。
エシカル・ヴィーガンは、食だけでなく衣類・コスメ・日用品まで、
動物を搾取しないライフスタイルを目指すスタイル。
フルータリアンは、
植物すら傷つけないという、徹底した非暴力の思想を持つ選択。
どちらも共通しているのは、「自分の選択が、誰かの苦しみにつながらないようにしたい」
というやさしさのかたちです。

「毎日の食事が、地球に与える影響って?」
そんな問いからヴィーガンを選ぶ人も増えています。
畜産業は、温室効果ガスの排出、森林破壊、水資源の浪費といった問題と深く関係しています。
そこでおすすめなのが、環境ヴィーガンやホールフード・ヴィーガン。
環境ヴィーガンは、
気候変動や生態系保護の観点から、動物性食品を避けるスタイル。
ホールフード・ヴィーガンは、
加工品を減らすことでゴミや包装資源の削減にもつながります。
小さな選択が、未来の地球に大きな意味を持つ。そんな実感が得られるスタイルです。

「世界には食べたくても食べられない子がいる」
そんな現実を知ったとき、食べることの意味を見つめ直したくなる人もいるでしょう。
畜産に使われる穀物や水は、本来“食べ物として”他の誰かに届けられるはずの資源。
ヴィーガンを選ぶことは、そうした食料の偏りや不公平を見直す一歩にもなります。
エシカル・ヴィーガンは、
「命の奪い合いではない、やさしい選択」を広げたい
と願う人に。
環境ヴィーガンも、
資源配分の面で世界的に意義のあるスタイル
です。
“誰かが食べすぎることで、誰かが食べられない”。
その構造を変えたいと感じたら、この視点からの実践も価値ある一歩です。
ヴィーガン同士でも“分かり合えない”ことがある?
ヴィーガン=平和主義で優しい人たちばかり、と思われがち。
でも実は、スタイルの違いや価値観のズレで、ヴィーガン同士が対立することもあるんです。
たとえば――
「ホールフードが一番正しい」と思う人と、ジャンクフード・ヴィーガンを軽視する人
「動物性は一切NG」と考える人と、オストロ・ヴィーガンのような“例外”を許す人
フルータリアンや宗教的ヴィーガンのように、ストイックな生き方を選ぶ人への反発
けれど、どのスタイルも「命にやさしくありたい」「地球や誰かのためにできることをしたい」という気持ちは同じはず。
だからこそ、
違いを比べるより、「どんな想いで選んだのか」を尊重し合えたらいいなと思うんです。
完璧じゃなくても、やさしい気持ちは、きっとつながっていくから。

「完全にできないと意味がないの?」
そんなふうに思って一歩を踏み出せない人には、混合タイプやジャンクフード・ヴィーガンという選択肢があります。
混合タイプは、
「家では植物性、外では柔軟に」など、ライフスタイルに合わせて続ける方法。
ジャンクフード・ヴィーガンは、
味の楽しみを手放さずに“まずは動物性を避ける”というライトなスタイル。
もうひとつの選択肢として、オストロ・ヴィーガンというスタイルもあります。
動物性は避けつつ、痛みを感じないとされる二枚貝のみ例外として食べる
という柔軟な形です。
完璧なヴィーガンではないけれど、「体も大事にしたい」という思いと両立できる、“リアリスト寄り”のやさしい選択です。
完璧じゃなくていい。できることから始めることが、やさしさの本質。
アラカン世代の私たちこそ、“一生続けられる”ペースを大事にしたいですね。
アラカン世代におすすめのヴィーガンスタイル3選

40代半ばから60代は、
「ちょっと体が重い」「病院通いが増えた」「疲れが抜けにくい」…
そんな変化とともに、食生活や生き方を見直したくなる時期。
でも、急にストイックなヴィーガンを目指すのはハードルが高すぎる。
だからこそ、“整える・続ける・共感できる”この3軸で選んだスタイルをおすすめします。

〜内臓から整う、素朴で力強い自然食スタイル〜
ホールフード・ヴィーガンは、加工されていない自然そのままの食材を選び、
体の中からゆるやかに整えるスタイル。
「疲れが抜けない」「血糖値が気になる」「むくみがひどい」――
そんなアラカン世代の悩みに寄り添ってくれます。
- 玄米・雑穀ごはん
- 豆の煮物・ひじき・きんぴら
- 蒸し野菜・味噌汁・海藻サラダ
- 果物・ナッツ(素焼き)
白砂糖や小麦、加工食品を避け、素材のままの食事で内臓にやさしく。
まさに「整えるためのヴィーガン」。
🌱 無理なく始めるには:
1日1食だけ「和風ホールフード」にしてみる
サプリや玄米甘酒で補助しながらでもOK
素朴でも満足感がある味つけを工夫すると◎
体のだるさ、心のもやもやも、まるごとリセットしたいときに。

〜美容も気分も上がる、おしゃれで軽やかな実践型〜
ダイエタリー・ヴィーガンは、
体型管理や美容を意識しながら、動物性の脂肪や添加物を避けるスタイル。
「体重が増えやすくなった」「肌のくすみが気になる」
そんなエイジングのサインに、“中から美しくなる食事”で向き合います。
- 朝
豆乳スムージー(小松菜+バナナ+アーモンド) - 昼
サラダボウル+テンペ or 大豆ミート - 夜
野菜スープ・豆腐ハンバーグ・キヌアの炊き合わせ - おやつ
ドライフルーツ・高カカオチョコ
GI値(血糖値上昇)を意識しながら、
ビタミン・たんぱく質・ミネラルをバランスよく摂るのがカギ!
🌱 無理なく始めるには:
スムージーや豆乳ヨーグルトを朝だけ取り入れてみる
加工肉を大豆ミートに置き換える
見た目がきれいな食事で「続けたくなる」気持ちをキープ!
おしゃれで楽しい“自分ケア”として取り入れやすいのが魅力。

〜やさしさを“選ぶ”生き方〜
ある日ふと、思ったんです。
「この洋服、どこで誰が作ったんやろ?」
「このリップ、動物で試されてたら嫌やなあ…」
そんな小さな違和感が、やがて「エシカル・ヴィーガン」という生き方につながる人も増えています。
このスタイルは、ただ食べるものを植物性にするだけでなく、
衣類・日用品・化粧品・ライフスタイル全体を、“誰も傷つけない選択”にしていく考え方です。

牛乳のために何度も出産を強いられる乳牛
動物実験のために使い捨てにされる小動物たち
ファストファッションの影にある搾取
食べ物ひとつ、Tシャツ1枚にも“背景”があることに気づいたとき、
ただ「動物性を避ける」だけじゃ足りないと感じる人もいます。
「自分の選択が、誰かの痛みに繋がっていないか」
そんな問いを持つことから、このやさしいヴィーガンは始まります。
- オーガニックコットンやフェアトレードの衣類
- 動物実験フリーのコスメ(リーピングバニーやヴィーガン認証マーク)
- 地元の農家さんや環境に配慮した生産者の食品
- 中古やシェアなど、循環を意識した買い物

食べるものだけじゃない。「どう生きるか」にもヴィーガンは広がっているんです。
🌱 無理なく始めるには?
・手持ちのコスメを1本だけ「動物実験フリー」に変える
・洋服のタグを1回チェックしてみる
・「これは本当に必要?」と買い物前に考えてみる
ひとつずつの選択に、ちょっとやさしさを加えるだけで、
“自分の心が軽くなる”――
それが、エシカル・ヴィーガンの不思議な魅力です。
よくある質問|ヴィーガンの実践にまつわるQ&A

ヴィーガンを始めようとすると、ちょっとした疑問や不安が出てくるもの。
ここでは、アラカン世代が気になりがちな実践のポイントを、やさしく解説します。
- ヴィーガンって一度始めたら絶対にやめちゃダメ?
- 全然そんなことありません。
途中でゆるくなったり、外食では例外を許したり、季節に合わせてスタイルを変える人も多いです。
完璧を目指すより、「できるところから」「やさしい気持ちで」続けることが大切です。
- ヴィーガンって栄養が偏らないの?たんぱく質は?
- 食材の選び方次第で、しっかり摂れます。
豆類、雑穀、ナッツ、テンペ、大豆ミートなど、植物性でも良質なたんぱく質がたくさんあります。
不安なときは、栄養補助食品やプロテインで補ってOK。アラカン世代は特に“無理せず続ける”がカギです。
- 外食や旅行先でどうやって対応してるの?
- A. 事前のリサーチと柔軟さがポイントです。
最近は「ヴィーガン対応」しているお店も増えています。
どうしても難しいときは、混合タイプやフレキシブル・ヴィーガンのように“できる範囲で”取り入れている人も多いですよ。
- ヴィーガン化粧品って本当に安全なの?
- 動物実験していない=安全性が低い、というわけではありません。
むしろ、植物由来のやさしい成分で作られているものが多く、肌に合う人もたくさんいます。
ただし「自分の肌に合うかどうか」は別問題なので、少量から試すのがおすすめです。
- 50代から始めても遅くないですか?
- むしろ今だからこそ、体と心に響く選択です。
この年代は「体調の変化」や「人生の転機」が重なる時期。
食事を見直すことが、自分を労わる一番の近道になります。ゆっくり、でも確実に体が応えてくれますよ。
- 夫や家族の食事と分けるのが大変そうで不安…
- 無理に分けず、“共有できる1品”から始めましょう。
たとえば野菜たっぷりの味噌汁やサラダ、豆料理などは、誰でもおいしく食べられます。
完全に分ける必要はなくて、“わたしだけヴィーガン風にアレンジ”でも十分です。
- 食費や手間が増えるのでは?
- 工夫次第で節約も時短もできます。
豆や雑穀、旬の野菜は実はコスパも栄養価も高いんです。
作り置きや冷凍を活用すれば、むしろラクになることも。
外食を減らして“家でおいしく食べる時間”が増えたという声も多いですよ。
おわりに|ヴィーガンは“やさしさ”の選択

ヴィーガンと聞くと、
「厳しそう」「ストイックすぎる」って思われがち。
でも、本当に大切なのは、完璧を目指すことじゃありません。
体を整えたい。
動物を大切にしたい。
地球を守りたい。
心を軽くしたい。
そのどれもが、あなたの“やさしい想い”の表れ。
そして、今日からできる小さな選択が、
やがて生き方そのものを変えてくれるかもしれません。
筆者も、がんを経験し、薬を手放し、自然治癒力を信じる生き方に切り替えてから、
体も心も軽くなりました。
いまではハワイのロードレースを目指して、元気に走れるまでに。
大丈夫。
あなたにも、できる形のヴィーガンが、きっとあります。
🍀まずは1品。今日から始めてみませんか?
たとえば、朝ごはんを雑穀ごはんに。
いつものお味噌汁に豆腐を足してみる。
その1歩が、あなたの毎日を変えていきます。
やさしい選択を、あなたのペースで。