
アラカン紳士さん、最近、夫の“枕の匂い”が気になって…。
年のせいでしょうか?

うむ、それは“加齢臭”かもしれませんな。
加齢臭は“食べ物”が大きく関わっておるのです。

まあ、食べ物で香りが変わるなんて…
ちょっと信じられませんわ。

信じるか信じぬかはマダム次第。
ヴィーガン生活、試してみる価値はありますぞ。
はじめに|加齢臭の正体は“年齢”ではなく“食べ物”かもしれません

40代を過ぎた頃から、なんとなく自分や家族のニオイが気になってきた…。
そんな経験はありませんか?洗っても取れない“枕の匂い”や“もわっとした空気”。
「年だから仕方ない」と思いがちですが、本当にそうでしょうか?
実は、加齢臭の主な原因は“皮脂の酸化”と“食生活の乱れが原因です。
中でも、肉や乳製品中心の食事は、体内でニオイ物質を生みやすくするのです。
この記事では、筆者自身の経験と科学的根拠を交えながら、
アラカン世代から始められるヴィーガン的な体臭ケアをご紹介します。
- 加齢臭の原因と体の変化
- 加齢臭を悪化させる食べ物
- ヴィーガン食で体臭が整う理由
- 男女共通でできる自然派の対策
- 石鹸やサプリの正しい使い方
加齢臭の原因とは?40代から強くなるニオイの正体

「最近、自分の匂いがちょっと気になる…」
そんなふうに感じ始めたのは、いつ頃だったでしょうか?
加齢臭という言葉はよく聞きますが、実はその仕組みはあまり知られていません。
「年齢のせいだから仕方ない」というのは、本当でしょうか?
まずは、「加齢臭とは何なのか」を、やさしく解きほぐしてみましょう。

加齢臭の原因とされているのが、「ノネナール」という成分です。
これは、皮膚から出る皮脂(ひし)に含まれる脂(あぶら)が空気に触れて酸っぱくなったような状態になることで、生まれるニオイ物質です。
資生堂リサーチセンターの調査では、40歳を過ぎた人の皮脂に、このノネナールが現れることが分かっています。
若い頃には出なかったニオイが、年齢とともに出てくるのはこの変化が関係しているのです。
ノネナールは“洗ってもすぐ戻る”という特徴があります。
だからこそ、外側から消すのではなく、体の内側からのケアが大切になってくるのです。

では、なぜノネナールが発生しやすくなるのでしょう?
そのカギは「皮脂(ひし)」と「酸化(さんか)」にあります。
年齢を重ねると、皮脂の出方や質が少しずつ変わります。
とくに40代以降は、酸化しやすい脂が増えるため、空気と反応してニオイ物質を作りやすくなるのです。
さらに、ストレスや食生活の乱れ、睡眠不足なども皮脂の酸化を進めてしまいます。
つまり、体の“内側の状態”がそのまま香りに現れるようになっていくのです。

「加齢臭って、男の人のものじゃないの?」
そう思っている方も多いのですが、実は女性にも起こる現象です。
特に、女性ホルモン(エストロゲン)が減り始める更年期以降は、皮脂のバランスが変わりやすくなります。
その結果、男性と似たような皮脂の状態になり、ノネナールが発生しやすくなるのです。
「年齢を重ねた女性は“ニオイに気をつけるべき”」という話ではありません。
ただ、誰にでも起こりうる自然な変化だと知っておくことで、やさしく向き合えるようになります。
加齢臭と食べ物の関係|体臭を悪化させる食生活とは?

「もしかして、食べたもので体の匂いが変わってる…?」
そう思ったことはありませんか?実は、これはあながち間違いではありません。
食べ物は皮脂の質や腸内環境に大きく関係していて、体臭の強さや質にも影響を与えるのです。
では、どんな食事が加齢臭を悪化させる原因になるのでしょうか。

動物性食品の中でも特に注意したいのが、「脂(あぶら)の多いお肉や乳製品」です。
これらを多く食べると、体の中で余分な脂肪や老廃物がたまりやすくなり、
皮脂の分泌が増えたり、酸化しやすい状態になったりします。
その結果、皮脂の酸化が進み、加齢臭のもとであるノネナールが発生しやすくなるのです。
さらに、肉類のたんぱく質が腸で悪玉菌と結びつくと、「アンモニア」や「インドール」といった
ニオイの強いガスが発生し、体全体のニオイにも影響してくることがあります。

食べたものはすべて、最終的には腸で吸収され、血液を通して体中をめぐります。
腸の中がきれいだと、必要な栄養素がしっかり吸収され、老廃物もスムーズに排出されます。
しかし、腸内環境が乱れると、悪玉菌が増えて体にとって有害なニオイ成分が発生するのです。
これが血液に乗って汗や皮脂として出てくると、体臭や加齢臭として表面化してしまいます。
便秘がちな方や、脂っこい食事が多い方は、特に注意が必要です。

食べ物だけでなく、「食べ方や時間帯」も加齢臭に影響します。
たとえば、夜遅くに高脂肪の食事をしたり、甘いお菓子をダラダラ食べたりすると、
代謝が追いつかずに老廃物が体内にたまりやすくなります。
また、アルコールや加工食品、甘いジュースなども、肝臓や腸に負担をかけて体臭を悪化させる要因に。
つまり、体に“余計なもの”を入れるほど、香りも強くなりやすいというわけです。
このように、食生活のちょっとした選び方や習慣が、
知らないうちに「香りの質」を変えているかもしれません。
外食や付き合いの多い人のための“ゆるケア”対策

「仕事の会食や家族との外食が多くて、思うように食事がコントロールできない…」
そんな声もよく聞きます。でも大丈夫。“ゆるく整える”ことから始めるだけでも、加齢臭ケアには十分効果があります。

外食時は、以下のことを心がけてください。
- お肉は“揚げ”より“蒸し・焼き”を選ぶ
- 小鉢やサイドに「海藻・豆腐・野菜」のある定食を選ぶ
- ソース・ドレッシングは別添えでオーダーして控えめに
- 居酒屋では、枝豆・冷やしトマト・酢の物を先に頼む

外食が続いた翌日は、
- 朝食を「梅湯」+フルーツorおかゆにする
- 昼は野菜たっぷりスープと玄米でデトックス
を心がけてください。
この“1日リセット”が、体臭の蓄積を防ぐ鍵になります。
完璧じゃなくていい。
ゆるく整える意識が、香りの質を変えていきます。
ヴィーガン的な食事が加齢臭対策になる理由

加齢臭を悪化させる食べ物があるなら、逆に体臭をやさしく整える食べ方もあります。
ここで注目したいのが、植物性食品を中心とした「ヴィーガン的な食生活」です。
ただお肉をやめるだけではなく、「体の中からニオイの出にくい体質をつくる」という考え方です。
その仕組みと理由を、科学的な視点でひもといてみましょう。

加齢臭のもと「ノネナール」は、皮脂が酸化することで発生します。
その酸化を防ぐカギになるのが、抗酸化成分を含む食品です。
たとえば次のような栄養素が、皮脂の酸化をやわらげる働きがあります:
- ビタミンC(パプリカ・ブロッコリー・柑橘類)
- ビタミンE(アーモンド・かぼちゃ・アボカド)
- ポリフェノール(緑茶・ブルーベリー・豆乳)
これらはすべて、植物性の食材から自然にとれるものばかり。
毎日の食事に少しずつ取り入れることで、体の内側から“酸化しにくい状態”をつくることができるのです。

もう一つのポイントは「腸内環境」です。
ヴィーガン食には、腸内を元気にする食材がたくさん含まれています。
たとえば
- 海藻類(ひじき・わかめ)
→ ミネラルと水溶性食物繊維が豊富 - 根菜類(ごぼう・れんこん)
→ 腸を掃除する不溶性食物繊維 - 発酵食品(味噌・ぬか漬け・納豆)
→ 善玉菌を増やす働き
腸が整うと、体にたまる老廃物が減り、血液や皮脂の質も変わってきます。
結果として、体から出るニオイも自然と軽くなっていくのです。

加齢臭を軽くするには、「とり入れるもの」だけでなく、「避けるもの」も大切です。
- 動物性脂肪(肉・乳製品)
→ 皮脂の分泌を増やし、酸化しやすくなる - 砂糖やアルコール
→ 肝臓の負担や腸内の乱れにつながりやすい - 加工食品
→ 添加物や過剰な脂が体内に蓄積されやすい
ヴィーガン的な食生活を選ぶことは、これらを自然と減らしながら、
「ニオイにくい体づくり」を進めることにもつながるのです。
香りは“心”しだい?ストレスと加齢臭の知られざる関係
「うちの枕、ちょっとクサいかも…?」
そんなふうに感じたとき、つい“加齢のせい”にしていませんか?
でも実はそのニオイ、ストレスが原因かもしれません。
ストレスを感じると、体の中では活性酸素が発生し、皮脂が酸化しやすくなります。
すると、あの“なんとも言えないニオイ”が生まれやすくなるんですね。
さらに、自律神経が乱れて皮脂の分泌が増えれば、ニオイは倍増します。
ある意味、ニオイは心の叫び。
「最近がんばりすぎてない?」「ちゃんと休んでる?」と体が語りかけているのかもしれません。
ヴィーガン的な暮らしは、“体にいいものを食べる”だけでなく、ゆるめる、整える、自分にやさしくする”ことでもあります。
心がふっとゆるんだ瞬間、ふしぎと香りもやわらかくなることがあるんです。
加齢臭ケアに効果的な食材とレシピ

加齢臭をケアするためには、皮脂の酸化を防ぐ栄養素と、腸内環境を整える食物がカギになります。
ヴィーガン食には、こうした働きをもつ植物性の優秀な食材が豊富に含まれています。
ここでは、加齢臭対策に役立つ食材の特徴と、手軽に取り入れられるレシピを紹介します。
まずは“1日1品”から、香りをやさしく整える食習慣を始めてみましょう。

以下の食材は、抗酸化作用・整腸作用・消臭作用が期待されるものとして、加齢臭対策におすすめです。
食材 | はたらき | 具体例・ポイント |
緑黄色野菜 | ビタミンC・Eで皮脂の酸化を防ぐ | パプリカ、ブロッコリー、かぼちゃなど |
豆類・豆製品 | 植物性たんぱく+抗酸化作用 | おから、納豆、豆乳、高野豆腐 |
海藻・根菜類 | 食物繊維で腸を整え、デトックス | わかめ、ひじき、ごぼう、れんこん |
発酵食品(植物性) | 善玉菌を増やし腸内環境を改善 | 味噌、ぬか漬け、豆乳ヨーグルト |
香味野菜・ハーブ類 | 消臭・抗菌作用 | しそ、しょうが、パセリ、梅干し |
いずれもスーパーで手に入りやすく、動物性不使用でも満足感のある味わいに仕上がるのが魅力です。

それでは、以下に加齢臭ケアに効く食材を使った料理を2品紹介します。
他にも、加齢臭ケアに効く食材を使って色々アレンジして、料理を作ってみてください。
ブロッコリーと豆腐のレモン味噌サラダ

- ブロッコリー(1/2株・蒸す)
- 絹ごし豆腐(1/2丁・水切り)
- 白味噌(大さじ1)
- レモン汁(小さじ2)
- オリーブオイル(小さじ1)
- 白すりごま(若干)
【作り方】
- 蒸したブロッコリーに、豆腐+調味料を混ぜたドレッシングをかける
- 仕上げに白ごまをふって完成
ビタミンC+大豆イソフラボン+オメガ9脂肪酸が一度にとれる、加齢臭ケアに◎な1品。
ひじきとごぼうのもち麦炊き込みごはん

- 白米1合+もち麦1/2カップ
- 乾燥ひじき(大さじ1)
- ごぼう(1/2本・ささがき)
- にんじん(少々)
- 昆布だし:270〜300ml(炊飯器の1.5合目盛りまで)
- しょうゆ:大さじ1
- 酒:大さじ1
- みりん:大さじ1
【作り方】
- 材料をすべて炊飯器に入れ、だし+調味料で炊くだけ
- 昆布を取り除いて混ぜ、できあがり
食物繊維が豊富で腸活効果も◎。腹持ちがよく、体臭の原因となる便秘対策にも。
舞妓さんはなぜ“無臭”なのか?食と香りの知恵
京都の舞妓さんは、汗をかいても“無臭”に近いと言われることがあります。
その秘訣は、食生活にあります。
動物性食品を控え、精進料理のような野菜や豆、海藻中心の食事をしているからです。
つまり、「香らない身体」は、作れるということ。
食と香りは昔から深くつながっていたのです。
ヴィーガン生活で整う香り|体験談と家族でできるケア実践

「本当に食事を変えただけで、体のニオイが変わるの?」
そんな疑問に、実際にヴィーガン生活を送る私たちができる答えは、「もちろん」です。
香水や石けんでごまかすのではなく、内側から香りを整える。
ここでは、そんな実感を得た人の声や、家族とできる自然派ケアの工夫をご紹介します。

ヴィーガン生活に切り替えたある男性(50代)は、こんなふうに語っています。
「以前は、電車の中で汗をかいた後の自分のニオイが気になって仕方なかった。でも今は、自分でも“何も匂わない”と感じる。妻にも“最近、柔軟剤変えた?”って言われたよ(笑)」
また、ヴィーガン歴2年の女性(40代後半)は、
「娘と一緒に試したのがきっかけでした。私は更年期に入って汗の匂いが変わった気がしてたけど、ヴィーガン食にして1ヶ月経った頃には、枕の匂いがほとんど気にならなくなったんです」
こうした声は、少しずつ、でも確かに“香りが変わった”ことを物語っています。

体臭のケアは、ひとりで頑張らなくても大丈夫です。
むしろ、家族みんなで取り組むことで、よりやさしく、自然に習慣になります。
たとえば
- 夕食に、豆腐と野菜の味噌汁をプラスする
- 朝食を「ヨーグルト+グラノーラ」から「豆乳+もち麦粥」に変える
- 週に一度は“ノーミートデー”(肉なしデー)”にして、豆や海藻中心の献立にしてみる
こうした小さな工夫が、やがて「なんだか最近、香りが変わったかも?」という気づきにつながります。
ニオイのことは口に出しにくくても、食卓からさりげなく始めることで、家族みんなが気持ちよく過ごせる空間になります。

筆者自身、がんの経験を機にヴィーガン食を始め、今年で6年目になります。
以前は香り対策に気を使い、香水や強い石けんを使うこともありました。
でも今では、香りを足すのではなく、香らない自分でいられることが何より心地よいと感じています。
加齢とともに“体が重くなる”と思われがちですが、私は今、ハワイのロードレースに向けてトレーニング中。
汗をかいても、服や枕が気にならない自分でいられることが、何よりの自信です。

ドラッグストアで売られている石けんやスプレーの多くは、
強い香りでニオイを覆い隠すという発想に基づいています。
しかし、それでは根本的な解決にはなりません。
むしろ、皮脂を落としすぎてバリア機能を壊してしまうこともあり、
結果として体臭が強くなるという逆効果もあるのです。
「香りを整える」とは、自分を労わる選択。
植物性中心の食事、適度な運動、しっかりとした睡眠――
そのひとつひとつが、“やさしい香りの自分”をつくっていくのです。
(FAQ):加齢臭と食生活についてよくある質問

加齢臭やヴィーガンの話題については、「なんとなく気になるけど、具体的には分からない…」という声が多く寄せられます。
この章では、よくある疑問にわかりやすくお答えします。迷っている方や、始めるきっかけを探している方の参考になれば幸いです。
- ヴィーガンにすれば体臭は必ず減るの?
- すべての人に同じ効果が出るわけではありませんが、変化を実感する人は多いです。
特に、脂っこい動物性食品を減らし、野菜や発酵食品を増やすことで、
「汗の匂いが変わった」「枕のニオイが気にならなくなった」などの声がよく聞かれます。
体質や生活リズムにもよりますが、「まずは1品から取り入れてみる」ことが、変化を感じる近道です。
- 石けんやボディソープで加齢臭は解決できるの?
- 一時的には抑えられますが、根本的な対策にはなりません。
香りつきの石けんやボディソープは、ニオイを「隠す」ことはできても、
皮脂の酸化や腸内環境の乱れといった根本原因には対応できません。
また、洗いすぎで肌のバリア機能が壊れると、逆にニオイが強くなることもあります。
“隠す”のではなく、“整える”方向へシフトするのが理想です。
- サプリや調味料でも効果はある?
- 補助的には役立ちますが、まずは日々の食事が土台です。
加齢臭対策をうたったサプリや香り付き調味料などもありますが、
それだけに頼るのではなく、腸と皮脂の環境を根本から整える食事習慣が先決です。
そのうえで、不足を感じたときにサプリで補う…という順番が無理なく続きます。
- 加齢臭は何歳から気をつけるべき?
- 早ければ30代後半、明確な変化は40代から。
体内で加齢臭の元となる「ノネナール」が発生し始めるのは、
男女問わず40歳前後からという研究があります(資生堂・2001年発表)。
しかし、それ以前でも生活習慣・ストレス・腸内環境によってはニオイの変化が起こることも。
「年齢で決めつける」のではなく、「自分の変化に気づく」ことが、最初の一歩になります。
- どのくらいで効果が出ますか?
- 早い人で数日、体質改善としては1〜2ヶ月を目安に。
個人差はありますが、
動物性食品を控える
腸に良い食材を取り入れる
ストレスや睡眠を見直す
といった生活を始めると、早ければ数日〜1週間で「枕の匂いが気にならなくなった」などの変化を感じる方もいます。
一方、腸内環境や皮脂の質を根本から整えるには、1〜2ヶ月ほどかかるのが一般的です。
大切なのは、続けやすい形で“整える生活”を無理なく習慣化すること。
焦らず、少しずつ“やさしい香り”の自分を目指していきましょう。
おわりに|まずは3日、お肉をお休みしてみませんか

「加齢臭は歳のせい」と、あきらめていませんか?
でも、香りは変えられます。しかも、“自分を責める”のではなく、“やさしく整える”ことで。
本記事では、加齢臭の原因やヴィーガン的な食生活の効果、実践レシピや体験談まで幅広くご紹介しました。
そしてわかったのは、体臭や香りの変化は、からだの内側から整えることができるということ。
特別なことは何も必要ありません。
まずは、お肉を3日間お休みしてみることから、香りの変化が始まるかもしれません。
ヴィーガンという生き方は、「制限」ではなく「選択」です。
今日の食事が、明日のあなたの香りをつくります。
さあ、まずはひとつ、やさしい一皿から始めてみませんか。